僕は何者にも囚われない雲に…僕は雲雀恭弥成り代わり (ページ25)

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第６９話(訂正済み) ページ25

「マーモン、何Aの腕に抱かれてる訳」
「⋯羨ましいのかい?ハッ」
「このチビ絶対殺す」

僕の間でバチバチしないでくれる?
簡単に説明するとマーモンに正体を明かして直ぐ、呼ばれた僕はマーモンと共にリビングへ向かうと双子達がギャーギャー騒ぎ、マーモンが更に煽ったって所かな。

「はいはい!!辞めなさい!!彼女が困ってるじゃないの!!」
「うっせぇカマ!!」
「このチビ、王子に喧嘩売ったし!!ていうかさっさと離れろよ」

鶴の一声ならぬオカマの一声でも収まらなかったが突然の殺気を感じ振り向くとそこには酒臭く髪が濡れているスクアーロと一人の男が居た。

「ボスじゃな〜〜い!!」
「⋯この女は誰だ」
「ジルちゃんとベルちゃんのお客さんよ〜!!ええと、名前は⋯⋯」
「⋯A、雲雀Aだけど」

“雲雀”という言葉に微かに反応を示したボス猿。何だろうか、睨まれてる気がする。

「君、強そうだね」
「あ?」
「あの赤ん坊と同じだ。君は強い、そうだろう?」

このボス猿が来た時から感じていたピリピリした殺気。久しぶりに感じるこの殺気に背中がゾクゾクして堪らない。此奴を咬み殺したい、そう思うのは僕じゃない“雲雀恭弥”の気持ち。

「A⋯⋯?ま、まさかボスと戦いたいとか」
「ワォ、ジル。君はエスパーかい?」
「やっぱりな!!やめとけ!!」
「ムッ⋯僕は勝てない戦はしないよ。勝つつもりさ」

負け戦確定なんてつまらない。
それにこのボス猿は僕が術士だと見破ってる。
現にマーモンを見つめてる。

「A、やめておいた方がいいよ。万が一破壊されたら⋯⋯」
「君が持っててよ」
「嫌だよ」

と言い合ってると、ふっ⋯と頭上が暗くなった。

「ワォ、不意打ちかい?」
「避けたか」
「伊達に反射神経は鍛えてないよ。因みにそこの双子とは長い付き合いでね、よくやったよ⋯。殺し合い(ゲーム)をね」

戦闘狂の自覚はあるよ。
だって僕の中に眠る雲雀恭弥としての気持ちが言ってるんだ。強く、強い相手にぶつかりたいってだから僕はその望みを叶えるだけ。
まぁ、僕自身ワクワクするんだけどね。

「雲雀A」
「⋯何。続きしないの」
「気に入った、俺の婚約者になれ」
「は?」

ーーヴァリアー城に悲鳴が響き渡ったのは言うまでもない。