Song10 ページ11
大家さんを追い払ってやっと話ができる。
ニイ「あの！」
「ん？」
ニイ「本当にいいんですか？家賃…」
「あぁ、気にしないで。住むところなかったら地球征服できないでしょ？」
隊長「なぜそこまでする」
イチイ「隊長…？」
隊長「なぜそこまで俺たちに優しくするんだ？」
「なんでかって言われてもねー。私もみんなと同じだからって答えしかないんだよね」
ヨイ「同じ…？」
私はみんなと同じ宇宙人。でもかなりの落ちこぼれで家族や周りの人から見放されてた。一人でいることは慣れていたし迷惑かけるくらいならひっそりと暮らしていようって思ってた。でも周りはそれを許してくれなかった。
『地球を征服してこい。できないならこの星に戻ってくるな』
そんな命令が下されて地球にやってきたんだ。ここに来てから色んなことをやった。でも落ちこぼれだった私には向いてないものばかりですぐにクビになることが多かった。そんな時に羽多野プロダクションのオーディションの話が耳に入ってきた。歌とかお芝居とか全く知らなかったけどなんとなく受けてみた。まぁ結果は惨敗。スタッフを始め、オーディションを受けに来てた人たちにボロクソに言われたんだっけな。
ヨイ「アヤさん…？」
「うん。同じ。だからみんなが心配なの」
ニイ「それ本気で言ってます？」
「え？」
ニイ「アヤさんみたいにキラキラしてる人には僕らの気持ち分かるわけない！」
サイ「正直俺も同意見だ。光があるところに影がある。光しか見てきてない人に影の暗さがわかるはずがない」
イチイ「お前らそれ本気かよ。お前らにアヤさんの何が分かるんだよ！何も知らないのに悪く言うなよ！」
隊長「イチイ。やめろ」
イチイ「隊長まで…！」
「イチイくん。いいよ。ありがとう。みんなごめんね。お節介だったね。もう何もしないから」
そうだよね。私みたいに輝く舞台に立ってる人が手を差し伸べたって嫌味にしか見えないし聞こえないんだよね。なんでこう空回りしちゃうかな…。
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作者名：すず | 作成日時：2019年9月29日 21時
