歌と恋とあなたと【神谷将人】 (ページ9)

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Song８ページ9

ガタンッ

「ん？」

　夕ご飯の後片付けをしていたらどこからか大きな音が聞こえた。多分違う階から聞こえた音なんだろうけど大丈夫かな？

翔太「あ、Aちゃん」

「あ、どうも」

　念の為、廊下に出てみたら翔太さんと奈菜さんも外に出ていた。後から早苗さんも廊下に出てきた。やっぱり気のせいじゃなかったみたい。ん…？

「この音楽…」

翔太「え、聞いたことあるの？」

「チェッカーズのジュリアに傷心。美里さんが好きな曲」

早苗「美里さん？」

「あ、赤池さんです。でもこんな大音量で流す人じゃない」

翔太「行ってみようか」

　赤池家族の住んでいる5階に向かう。途中で藤井さんにも会った。そして502号室に着いた。

　ピーンポーン

翔太「赤池さん！何かありましたか？」

「美里さん！Aです！」

　ガチャ

藤井「ドアが開いてる」

「…？この臭い…」

奈菜「Aちゃん？」

　この臭い。嗅いだことある。確か10年前の…。まさか！！

　嫌な予感がして私は周りを忘れて部屋の中にダッシュした。

「っ…！！！」

翔太「赤池さん！」

「美里さん、血が…」

　いたるところに飛び散っている血。首を切られてるのに笑ってタヒんでいる赤池夫婦。あぁ、似たような光景を私は見たことある。お父さん、お母さん…。

　どんどん呼吸ができなくなる。力が抜けて立っていられない。苦しい。助けて。

「はぁ…はぁ…はぁ…」

奈菜「Aちゃん！」

　誰かが私の名前を呼んでるけど返事すらできない。視界が暗くなっていく。

「お、かあ…さ……ん」

　ここからは何も覚えていない。