第41話 ある土曜日 ページ43
．
参加種目の決定。それに伴う個々人の準備。体育祭に向けての2週間はあっという間に過ぎる。
土曜日。
私は今日も朝のランニングの真っ最中であった。
帰りは隣のおばあちゃんの家に寄って台所を借り、朝ご飯を作り一緒に食べる。オールマイトは仕事でもう家を出ていた。
「ご馳走様。お邪魔しました」
洗った食器を洗い終わり、お茶を1杯頂いてからおばあちゃんと別れて外へ出た。朝の暖かい風が私の頬を撫でる。
お茶のおかげで体の中からぬくぬく温かくて勉強も頑張れる気がした。
「…？」
ポケットの中に鍵を探し玄関の前に立った時、私は異変に気がついた。家を出る前にちゃんと閉めたはずの鍵が何故か開いていたのだ。
まさか泥棒？困る。中には私とオールマイトの所持品や写真で溢れているのだ。大切にしたいし見られたら親子だとバレてしまう。
私は鍵をポケットに戻し、ひとつ深呼吸してドアノブに手をかけた。
…ｶﾞﾁｬ──
慎重にノブを下ろすと開錠した音が接触している指を伝って頭まで響いてきた。警戒しながらゆっくりそれを手前に引っ張る。
思い切って中を覗けば変な汗を流したトゥルーフォームのオールマイトと目を丸くした出久がこちらを見て固まっていた。
「え」
やばいやつなのでは。
「A…ちゃん…!?」
靴を脱ごうとしていたのか片足だけ靴下の出久はバランスを崩してその場に転ぶも尚私を見ている。
無理くり笑うオールマイトの手の中には送信する直前のメッセージが打ち込まているトーク画面が映し出された携帯が握られていた。
「連絡しようとしたんだけど遅すぎちゃった」
オールマイトの携帯から軽快な効果音が響くと、少しの時間差で鍵と一緒に入れていた携帯がポケットの中で着信音を鳴らした。
「うん、遅すぎましたね」
ーーーー
ーー
「親子!?」
出久が驚愕の声を上げる。
並んで座る私達の反対側に彼が座っていた。テーブルの上には湯呑みが3つ。この部屋にこの面子が揃う事になるなんて…。
泥棒にバレるよりかは断然マシだけどもこれはこれで困った話だ。
「子供がいるなんて知らなかった…十数年隠し続けてきたのか?すごいな…マスコミから逃れ続けるなんて…これっぽっちもそれらしき報道は見たことがないぞ…それがまさかAちゃん…オールマイトの娘がAちゃん…」
「緑谷少年?おーい」
ブツブツブツブツ呟く出久は完全に自分の世界に入り込んでいてオールマイトの声も全く届かない。
…取り敢えずお茶飲も。
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しろくまさん(プロフ) - キラーさん» ありがとうございます。そう言っていただけると、頭の中が情報でごちゃごちゃになってスランプ予備軍に入りそうになってもリセットされて、すっきり新鮮な気持ちでお話を書けます。嬉しいです。これからも書きたいお話を自由にかけるように日々楽しんでいきたいです´ｰ` (2018年8月22日 21時) (
レス) id: c28038ff9f (このIDを非表示/違反報告)
キラー(プロフ) - ごめんなさい、私一瞬思ってしまいました。太宰さんと心中すればいいんじゃね？ (2018年8月22日 2時) (レス) id: 88d1b4cedc (このIDを非表示/違反報告)
しろくまさん(プロフ) - らなのMonOさん» 共感です心操君尊い…。設定についてご感ありがとうございます。設定は割と時間をかけて考えて構成を立てたので結構重要な要素です。楽しんでいただけたら嬉しいです。 (2018年1月9日 16時) (レス) id: c28038ff9f (このIDを非表示/違反報告)
らなのMonO(プロフ) - あと！設定が面白いっす！ (2018年1月9日 14時) (レス) id: 78c6b76a3c (このIDを非表示/違反報告)
らなのMonO(プロフ) - ししし、心操クゥンがカアァイ。 (2018年1月9日 14時) (レス) id: 78c6b76a3c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しろこ | 作成日時：2017年10月4日 17時
