【MHA】不老不死は恋をする。 (ページ4)

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第3話異なる愛ページ4

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「ぶっ」
「八木さん、汚いですわ」
「ご、ごめ」
「はいどうぞ」
「あ、ありがと梅雨ちゃん…」

思わずテーブルに吹き出してしまったジュースを、梅雨ちゃんがすかさず渡してくれたティッシュ箱から受け取って拭い取る。

もう1枚貰って自分の口元を拭くと、一瞬真っ白になっていた頭が少しずつ正常に戻っていくのが分かった。

一度冷静になって周りを見渡せば女子組皆がこちらを見て口角を上げている。

衝撃的な質問を投げかけてきた張本人である葉隠ちゃんは「いい動揺っぷり～」なんて楽しんでいた。勘弁してくれ。

「私が誰か好きなの確定の進行なのね…」

自分に逃げ場は無いのだと察した私はため息と共に呟いた。

「当たり前でしょうに。で、誰好きなの？」

と、隣に座っていた芦戸ちゃんがソファにお尻を擦らせがら詰め寄ってくる。

困った。正直なところ本当に恋心は抱いていないものだから、この状況の過ごし方がさっぱりだ。

ん～、と唸りながらどう返答しようか悩んでいるとお茶子ちゃんがジュース片手に私の顔を覗き込む。

「前に爆豪くんとか轟くんとか、障子くんとか好きって言うてなかった？」
「それはオタクとしての愛っていうか…恋愛感情とは別っていうかなぁ」

項を爪で擦りながら笑う。

「…」

ふとかっちゃんと目が合った。
険しいまま変化のない彼の表情に行き場のない笑顔を作ってみて、それが気に食わなかったのか目を逸らされる。

他人(ひと)が考えることなど心を読めるような個性でも持っていない限り完璧には分からない。それは例え幼稚園生の頃から過ごしている〝幼馴染み〟だとしても同じことで。

今も彼が何を思って私を睨んでいたのか、理解するには難しかった。

「Aちゃん、爆豪ちゃんの方みてる」
「え」
「好きなのかしら」
「いや…」

好きだけど好きじゃない。
曖昧ではっきりしない感情に胸焼けがした。