【MHA】不老不死は恋をする。 (ページ23)

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第22話告白ページ23

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「我慢、させてごめんっ、わたし、こんなこと何年ぶりかでっわかんなくてっ混乱して…っ急にあんなこと…、めちゃくちゃこわかった…怖かったしいらついたし急すぎるっておもったけど…だけど、だけどがまんさせたのもわるいから……ごめんなさい…ほんとに、ごめんなさい…っ」

俺たちの手はAの涙でびしょびしょだが、そんなこと気になる訳もなく俺はただ彼女の次の言葉を期待している。何度も謝るAは口を閉じたかと思えば、今度はAが俯いて俺の手ごと自分の胸に当てより強く手を握る。
彼女の息を感じた。

「…すき」

「…………は？」

聞き間違いかと思った。
でも確かに、聞こえた。俺は聞き逃さなかった。こいつは今やっと言ったのだ。前身が痺れる感覚に囚われる。長年、本当に長年待ち望んでいた言葉に、1度落ち着きたいとまで思った。
が、そんな俺の気持ちなどAには分からないようで歯止めが効かない様子で言葉を続けた。

「だれかのこと…好きだって認めるのって、こんなにくすぐったいんだって、ずっと忘れてた、……むり…もうどうしたらいいのかわかんない」

言葉と共に相変わらずAの涙は止まらない。

「大の大人がこんな情けない……かっちゃんより経験あるはずなのに……もやだ…」

だんだんと子供のように泣き始めるA。その頭に自分の頭を重ね、押し上げる。ゆっくり、ゆっくりずらして、額に唇を落とした。

愛おしい。何年も待たせておいて、1度は拒んでおいて、いざとなったら赤ん坊のように俺に縋り涙を零し言葉を止められなくなっているAの言葉も、声も、涙も、全部が愛おしい。

俺が知らぬ世界でこいつに触れた男など知るものか。
こいつが俺の車で俺の手を握り俺のために涙して俺の唇を拒まないでいる。今はその事実だけで十分だった。

額から唇を離し額と額を重ね、Aの顔を見ると涙でぐしゃぐしゃだ。俺がこうしたのかと思うとうずうずしてまた我慢がきかなくなりそうになる。が、今はこいつを大切にしたい気持ちが強いから制御が解ける気などしなかった。

お互いの気持ちが落ち着いてきたとき、俺はまた無理矢理手を出したことを謝った。Aは「…ゆるす」と静かに微笑む。

あの時泣かせたことは胸に刻んで忘れたくない俺の「間違い」だったが、あの間違いがなければ今はなかったと思えば少しだけ自分を許してしまえる。

笑って手を振りながら家に帰っていくAを見送りながら、そんなことを考えていた。