第116話 終戦 ページ27
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「馬鹿っ…！！」
勢いの良い炎で応戦した轟君に、倒れたままのプロヒーローが声を出す。そして彼は応戦するよりか逃げた方がいいと言った。
だが、変わりつつある状況に焦りを覚え始めたステイン相手にそんな余裕はない。
彼は本気を出してしまったのだ。
やがて飯田君の脚がバスッボスッと空気を漏らす。そして飯田君と轟君が何か話しているとステインが跳び上がった。彼は壁を蹴りながら轟君を目掛けてナイフを投げた。
私はさっき目の前に落ちてきた折れた刀を握り、全力でステインに向かって投げる。轟君を仕留めることに気を取られていたステイン。折れた刀は見事彼の腕に刺さったが、少し気を散らすことしか出来なかった。
轟君の方へ投げられたナイフ。それに気づいた飯田君が轟君を庇って腕にナイフを受けた。飯田君は続いてもうひとつを受け、地面に這う。
だけどすぐに立ち上がって、目にも留まらぬ速さで、宙を舞うステインに立ち向かうのだ。
飯田君は勢いのまま脚を、また別の方向からは全身に緑色の光を纏った出久が拳を。
「行け」
自然と、轟君と声が重なった。
次の瞬間。
物凄い音で血が舞う。一瞬仕留めたと思いかけたが、すぐにステインは瞼を開けた。そんなステインを目にして飯田君は眉を顰める。
「おまえを倒そう！今度は…！犯罪者として──…」
「いけ！！」
「たたみかけろ！！」
2人で叫ぶ。
「…──ヒーローとして！！」
「がっ……」
重い蹴りが再びステインを襲った。
聞くだけで重苦しい気分になるような声を漏らして、そのまま落ちていく。それはステインだけでなく、2人もだった。そこにすかさず轟君が壁沿いに氷の滑り台のようなものを作り出して2人をこちらまで滑らせる。
ステインというと氷の突起に引っ掛かっていた。
動く気配は、ない。
「…気絶…してる」
「…っぽい、ね」
私がそう言うと皆で息を吐く。実感が無くて変に頭が働く違和感溢れる空気の中、私たちはなんとなく立ち止まれずに次の行動へと移る。
最初に動いたのは轟君だった。
「拘束して通りに出よう」
「あ、これ、使えそう」
奥の方に落ちていた薄汚れた縄を取り、轟君に提案してみる。
すると彼は縄を受け取ろうと私に手を出して何のためらいもなく縛る役目を担おうとするので、「私だってヒーロー志望だよ」とそれを拒んだ。
そしてステインを下ろしてもらって、しっかり縛った。
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しろこ(プロフ) - 夏終朝凪さん» こんばんは。コメントありがとうございます。めちゃくちゃ嬉しいです…。今はこの作品と同時に更新している作品の方にいい感じの波が来ていてそちらに力を入れていますのでぜひそちらも！｢転生、そして不老不死。｣の更新も忘れた訳では無いので次の更新お楽しみに！ (2020年2月7日 0時) (
レス) id: ad3f1db81f (このIDを非表示/違反報告)
夏終朝凪(プロフ) - 続きがすごく楽しみです！とても面白いです！これからも更新頑張ってください！楽しみにしてます(*´▽｀*) (2020年2月6日 19時) (レス) id: 8142368f1e (このIDを非表示/違反報告)
しろこ(プロフ) - 桃色さん» ここまで読んでコメントまでありがとうございます(´ｰ｀)すっっっっっごく嬉しいです:-)これからも不定期にはなりますが楽しんで更新していこうと思うのでよろしくお願いします:-) (2019年6月20日 18時) (レス) id: ad3f1db81f (このIDを非表示/違反報告)
桃色 - ほう続きがスッゴい気になります!!更新全裸待機です! (2019年6月18日 23時) (レス) id: 31c03fdbb7 (このIDを非表示/違反報告)
しろこ(プロフ) - まめでんきゅうさん» こんばんは！お返事遅くなってしまってごめんなさい！あたたかいコメントありがとうございますしらこです！( ´ｰ`)めちゃくちゃ嬉しいです…これからも頑張ります( ´ｰ`) (2019年4月22日 22時) (レス) id: c28038ff9f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しろこ | 作成日時：2018年2月2日 15時
