通 学 途 中

POLESTAR 2 ページ2

.






学校の後 塾に行く途中で 、あのコンビニに立ち寄る。

これが 私の日常 。


ずっと 親の言う通りに生きてきた 。




今は家の病院を継ぐために ただ勉強していた 。




『 ただいま 』


ママ「 おかえり 。塾どうだった？ 捗ってる？ 」


『 、うん 、まあ 。』



ママ「 今年は Aちゃんの受験のこともあるし 、
新年のイベントは しないでおこうと思って 。」



『 いいのに 。 いつもの人たちにも迷惑でしょ？ 』


ママ「 だって〜 ママにとって1番大切なのはAだから 。」





... ハァ 。



親の期待に応えたいけれど 。



一生 籠の中の鳥でいいのかな 、って思うこともある






そう 、あの 囚われた自由の翼 、に描かれていた鳥のように 。









今は部活では 、ピンクとオレンジの 二輪のお花を写生している 。



見えるままに 描く 。




部員みんなが その対象と 自分が描いたものを 交互に見つめては 、筆を入れる 。そんな静かな空間 。





先生「 岩田 〜！」



その空間を破ったのは 教室のドアを開けて入ってきた顧問の先生の明るい声 。



先生「 受賞おめでとう！ 良かったなあ！ 」


そんな先生の声とは正反対に とても落ち着いた声で受け答えする岩田くん 。


岩田「 ありがとうございます 。」


先生「 んだよ〜 もっと喜べよ 〜 、おい岩田〜！」




まとわりつこうとする先生をあしらって 、私の隣の席に着く 。




そして 私と同じように 二輪の花を描く 。






.

POLESTAR 3→←POLESTAR 1

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す