大学生ゲーマー系彼氏とヲタク系彼女の日常。 (ページ20)

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遭遇。【前回の続き】ページ20

A side

ある秋の涼しい日。お昼を少し回った頃。

私と恋李は、研磨の幼馴染ちゃんと遭遇していた。

「(あああああああああああああ帰りたい!!!!)」

この人無表情だから何考えてるかわかんないし…っつか何気にホットケーキ食べないで!!

推しに…推しに会わせてくんろ……。

「……で、貴方は誰ですか？」

「(うっわ恋李直球!!すげえ!!)」

「あ、申し遅れました。

私は研磨とクロの幼馴染のカナエと申します」

「はぁ……それで、何の御用で？」

「単刀直入に聞くし、言います。

研磨と付き合ってるのはどちらですか？」

「こっ」

「あ、ここにはいないんですよ。私のもう一人の友達の、ルイって奴です。

毎日幸せだっつってました」

危機を察知。

正直に答えたらヤベェと本能が告げている…!!

幼馴染ちゃん、もといカナエちゃんはにっこりと笑うと、こう言い放った。

「貴方でしょう？大沼A」

初対面の人はせめてさん付けしよ!!?

呼び捨てやめて!!いやまあ、苗字にさん付けは大っ嫌いだからいっそそれでもいいかも…いや、ややこしいわ!!

「研磨と別れてください。

貴方よりも私の方が研磨と沢山側にいる。互いが辛い時も嫌な時も、ずっといたんです。貴方にわかりますか？貴方は所詮、悲劇のヒロイン。貴方が嫌いな悲劇のヒロインなんです。でも、私はただのモブ。好きな人のただの幼馴染。

辛いことがあって、乗り越えられて、好きな人と幸せに付き合えている貴方に何がわかるんですか？」

…なるほどなぁ。

なら、こっちはこう出よう。

「…ごめん、三パーセントぐらいしか聞いてなかったから、要約して聞かせて」

煽る。なんか面白そう。

いや、でもそんぐらいしか聞いてないのは事実。だって長いし早口だしノンブレスだし!!

「…研磨と別れてください。

貴方は一方的に研磨に迷惑をかけてるだけだ。

研磨を幸せにできるのは、私です」

「……あれ、でも君、黒尾さん好きだっていうことじゃなかった？

なに、黒尾さんにフラれちゃったからもう一人の幼馴染の研磨と付き合おーっての？

はっは、……軽いね」

まあ、有る事無い事繋ぎ合わせて言っただけだけど。

さあ、どうだ。カナエちゃんには効果抜群か!!!