swallow's cat 6

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ーside #10ー




医「少し腫れてはいますが、脳に異状はありませんでした」

荒「そうですか…よかった」

医「とりあえず明日の試合出場は控えて、大事をとって安静にしておいてください」





あの後すぐ病院に向かい、当たった部分の状態を見てもらった。





どうやら一大事にはならなかったようで、本当に安心した。





ト「監督たちにも伝えとくな」

荒「すみません、お願いします」







……







上「あっ、荒木さん！」

坂「もう練習出てきて大丈夫なん？」

荒「お騒がせしてすみませんでした…」

山「めっちゃ腫れてますね…」

晃「俺、荒木さん死んじゃったと思いました」

廣「俺もっす」

荒「大丈夫、まだ生きてるからw」

川「あんま無理すんなよ？」





それから1日空けて、俺はみんなの練習に合流した。





球場に入った途端、みんなから沢山心配の声をかけられたから凄いびっくりけど…





あ「…っ、荒木くん」

荒「！、A」





するとそこへ、目を潤ませたAがやって来た。





えっ、泣いてる…？





あ「もう練習して平気なの？」

荒「うん。1日休ませてもらったから、もう大丈夫だよ」

あ「そっか…」





俺が運ばれる時、展征と一緒に最後まで隣にいてくれてたんだっけ。





大丈夫と俺が答えた瞬間、彼女の目から涙が溢れた。





あ「…ぅ、よかった…荒木くん」

荒「泣かないでよA…w」

あ「ずっと、心配してたから…」

荒「…本当にごめんな、でも本当にもう大丈夫だから」

あ「…っ…うん」

荒「また明日から、みんなと一緒に頑張るよ」





彼女の頭をそっと撫でてみると、やっと彼女は笑顔になった。





こんな大勢から心配されるなんて、俺は幸せ者だわ…





川「荒木ー、練習始まるぞー」

荒「あっ、おう。今行くー」





開幕戦まで残りわずか。





怪我に負けないように、目の前に食らいついていきたい。

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