swallow's cat 6

199,vs怪我 1 ページ43

ガッ＿＿＿＿





山「！！」

あ「っ荒木くん！！」





神宮での初のオープン戦。





そこで悲劇は起きた。





荒「…っあ」

審判「タイム！」

坂口「荒木！大丈夫か荒木！」

「早く担架を持ってきて！」

「はい！！」

「大丈夫ですか？力入りますか？」





8回裏、先頭打者の荒木くんの頭に相手の投げたボールが直撃したのだ。





当然、あたりは騒然となる。





川「あっ、おいA！」


……


あ「荒木くん！大丈夫荒木くん！！」

荒「…A…っ…」





私は、倒れこんだ荒木くんの元にすぐに駆け寄った。





意識はあるようだが、頭を押さえて痛みに顔を歪めていた。





トレ「慎重にお願いします」

「じゃあ運びますね、せーのっ」

川「あいつ、大丈夫かな…当たった時結構デカイ音したけど」

上「ストレートの速球が来ましたからね…」

山「荒木さん…」





しばらくして担架がやって来たので、荒木くんはそれに乗せられ運ばれていった。






その光景を、ただただ心配な気持ちで見つめる。






奥「A、」

あ「…奥ちゃん」

奥「心配やけど、今は一回戻ろ？まだ試合中だから」





途中でやって来た奥ちゃんに言われ、
私は一度ベンチに戻った。





あ「…」ﾁﾗﾘ





カープ側のベンチでも、誠也や菊さんたちが心配そうにこちらを見つめている。





あ「…荒木くん」





一瞬で心配と不安で満ちた神宮球場。





心の中で、黒い何かがぐるぐると渦巻いているように感じた。

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