swallow's cat 6

180,キセキ 1 ページ20

ーside G#6ー



〜♪



坂本「もしもし？」

山「もしもし勇人さん？山田です」




自主トレを終えたある日のこと、
俺のもとに1本の電話がかかってきた。




坂「おう、どした？」

山「実は、ちょっと相談が…」




相手はヤクルトに居る侍の後輩、哲人。




なんやろ…何か深刻な話やろか？




坂「なん？」

山「実は＿＿Aに告白しようと思ってるんすけど…」

坂「ほう、なるほどなー……って、は？」




そう思って黙って聞いていると、哲人はこっちが拍子抜けするような事を言った。




いや、野球の話ちゃうんかい。




坂「何でそんな事俺に聞くねん」

山「勇人さん経験豊富そうだから…」

坂「…お前、今度会ったら絶対しばいたるからなw」




しかし、めっちゃ気になる話ではある。




練習しすぎて正直しんどいけど、話くらいは聞いてやるか。




……




坂「ふーん、それで早くしなきゃと」

山「はい…」

坂「なら言えばええやん普通にw」

山「それが出来ないから相談してるんすよ…///」




いやお前、結婚したいアピールしょっちゅうしてるやつが何言うとんねんw




日頃もAと結構居るやんかw




坂「あのな、哲人」

山「…はい」

坂「何をビビっとるか知らんけど、告白なんて想いを伝えるだけの事やからな？」

山「うー(-_-;)」

坂「はっきり言わないと向こうもわからんし、第一自分が一番後悔するで？」




たまーにこいつのこういった面が出る事は、
俺も勿論知っていた。




ネガティブな事を素直に言うところ。




長所でもあり短所でもある一面。




坂「先輩が言ってたみたいに、他の奴等に先越されてええの？」

山「！！」

坂「いっつも試合の時、他の選手に絡まれてるAの近くに居ったのは誰なん？」

山「…それは」

坂「お前やろ？」




でもな、哲人。恋愛も試合と同じなんやで？




結果がどうであれ、早く行動しなきゃ残念な結果に終わる。




プロの世界と全く同じなんやから。




坂「誰かに取られたくない、そう思ってああしてたんやろ？」

山「…はい」

坂「なら、伝えなあかんやろw」

山「…そうですよね」

坂「こういうのはストレートに言うのが一番なんやで？w」




二年連続トリプルスリーという結果を残したお前や。




絶対出来ると思うけどなー…




坂「頑張ってこい」

山「勇人さん、ありがとうございます」

坂「お前なら、絶対上手くいくと思うで？w」

山「ふふっ、どうですかねーw」

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