swallow's cat 5

138,ただいま ページ13

〜in 戸田〜




午前練習が終わり、
私は選手たちの道具を片付けていた。




あ「ん、このかご重い…」




いつもは晃くんとかが手伝って
くれるんだけど、生憎今日は居ないし…




仕方ない、一人で頑張りますか。




あ「ふー…」
？「俺が手伝ったろか？」
あ「いえwこのくらい一人で…！！」




ふらふらしながら運んでいると、
誰かが途中で声をかけてくれた。




その人の顔をふと見たとき、
私の動きは止まった。




……




川「これ向こうでええん？」
あ「えっ…は、はい…」
川「おっけwじゃあいこか」




目の前で笑うのは、
ずっと帰りを待っていた人。




嘘…じゃない…？




……




川「はー…重かったなw」
あ「はい…」




道具庫につくと、慎吾さんは腰を
軽くトントンと叩く動作をした。




何だろう、なんか泣きそう…




あ「…じゃあ、戻りますかw」

川「…」




涙が溢れそうになったので、
急いで戻ろうと彼に背を向けた。




その時…




川「待って」

あ「あっ…」




後ろから腕が伸びてきて、
あっという間に彼の胸の中に引き寄せられた。




久しぶりに嗅いだ彼の甘い匂いに、
さらに目頭が熱くなる。




川「もう少しだけ、このまま…」

あ「…っ…慎吾さん」

川「やっと、帰ってこれたから…」




何もかもが久しぶりすぎて、
私もしばらく彼の腕を強く掴んでいた。




もう…このまま離したくない。




川「ただいま、A」

あ「……っ、おかえりなさい」

川「てか、また泣いとるんw」

あ「ぅ…気のせいですよ」

川「ほんま泣き虫やな〜…」




来年こそ、近くで彼のプレーを
精一杯応援しないとな。




川「長い間、待たせてごめんな」

あ「平気ですよ、私、強いんで」

川「どこがやねんw今も泣いてるくせにw」

あ「ふふっ、うるさいですw」




……




山「しーんごさ〜ん？(^-^)」

川「おう、哲人！どしたん？」

山「どしたんやないですよっ！
何すかさっきのやりとりは！？」

川「何って…挨拶？」

山「どこがっすか！思いっきり抱きしめてた
じゃないですかー！(｀Δ´)」ﾑｷｰｯ

川「そう怒んなよw本当久しぶりだったんだよ」

山「駄目です、俺は認めません！！」




…まあでも外野はうるさくなるだろうから、




その点は気を付けようかなw

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