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26,ファミリーの絆 ページ27

キキーーーッ______



約30分くらいして、私はスタッフさんと
あるところにやってきた。
そこは東京のあるリハビリ施設だった。


あ「みゃ?」
ス「ごめんねA。君に会いたいって
人から電話がかかってきたから。」


私はスタッフに抱えられ、施設の中にある
トレーニング室にやって来た。


_コンコン


ス「失礼します。」


そこには施設のスタッフの人と、
私がよく知っている人が汗だくで座っていた。


川「!!おーA〜(^-^)」
あ「みゃーーー(。>д<)」


それは交流戦前、二軍施設に私が
会いにいった川端さんの姿があった。


川「どうしてもAに会いたくなって…。
今千葉に居るっていうから、スタッフに
無理いってここに来てもらったんやw」
あ「みゃ〜みゃ〜」


施設の人によると、川端さんはだいぶ
調子がよくなってるそうで、前会った時より、
回復しているようだった。


川「今日の試合はどうやった?」
あ「……みゃーあ」
川「そうか…みんな苦しんでるんやな…」


川端さんは少し悲しそうな顔をした。



川「なら早く俺も治さなあかんなぁw
本当にほっといたら、苦しんで死んで
しまいそうやわ。俺が力になってやりたい…」



彼は、スワローズの中でも面倒見が良い
選手で、特に後輩やルーキー達を見ると必ず
声をかけてあげたり、一緒に練習を行ったり
してあげる、いわばお兄さん的存在だ。


川「Aにも、色々と辛い思いさせて
本当にごめんな。畠山さんや俺、
泰弘までぬけてしまって…」
あ「みーみっ」
川「でもみんななら大丈夫!」


そういって彼は私をそっと抱き上げた。


川「今は本当に苦しむしかないんよ。
でも踏ん張って、ひたすら前を進まないと
いつまでも弱いまんまなんやで?
だから、俺とか他のみんなが戻るまで
絶対に諦めんでくれよ。」


そう私に川端さんは呟いた。
その時の彼の顔は真剣なものだった。


スワローズの選手会長でもある彼は、
本当にチームのことを大事に思ってくれて
いるのが、ありありと伝わってきた。


川「でもAに会えて本当よかったw
哲人とかも大丈夫か?あいつ頑張りすぎな
とこあるけん、しっかり見守ったってなw」
あ「みゃー(^-^)」
川「俺だけじゃなくて、怪我してる人
全員応援しとるからなw」


そういって、彼はくしゃっと笑った。


昔からファミリー球団といわれている
ヤクルトスワローズ。

苦しい状況でもみんなが頑張れるのは
この絆の強さのおかげなのだと、私は思った。

sp:人間になった子猫→←25,連敗



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作者名: | 作成日時:2017年6月3日 0時

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