swallow's cat (ページ17)

今日:18 hit、昨日:6 hit、合計:99,104 hit

17,かつおくんページ17

あ「にゃー……」

スワローズは今、対ホークス戦で
福岡に来ている。
そして、負け越しが決まってしまった…。

交流戦が始まって未だ0勝…。
みんなの雰囲気もどんよりとしている。
あぁ、みんな頑張ってるのにな＿＿＿
勝つことって、本当に難しい。

私はつば九郎と一緒にグラウンドから
帰っていると、ベンチに今日の先発ピッチャーの姿があった。

石川雅規さんは、スワローズの
ベテランピッチャー。得意球はスライダー、
スクリュー。その小さい体でこれまで何試合も
チームを支えてきてくれた人だ。

しかし、今日は相手に3本塁打を打たれ
試合は1-4で負けてしまった。

あ「みゃー…(´・ω・`)」
つ「カツオくん、またせきにんかんじてるなぁ…」

石川さんは責任感が本当に強くて、自分が
先発で投げて負けた試合は、いつも自分の投球の責任として受け止めてきた。たとえ、打線がカバー出来なかったとしても…。

つ「かつおくん。」
石「あ、お疲れ様です。」

つば九郎が石川さんに声をかける。

石「…すいません本当に。」
つ「だいじょうぶ。かつおくんだけの
せいじゃないし。あしたまたかてばいいよ。」
石「でも、あそこで打たれなかったら…」

私はその光景を見て、胸が痛くなった。

すると、石川さんはつば九郎の方に
真っ直ぐ向き合った。

石「次の試合は、勝たせてみせます。」
つ「おっ、いったね～。たのしみに
しとくね～へでで。」
石「次までにもっと力つけとくんで。」

完封で勝たせますからね！、と石川さんは
少しはにかんで言った。

スワローズの左のエースとも言われている
カツオくんこと石川さん。

今日は負けてしまったけど、
私はその左のエースの、ピッチャーとしての
誇り高いプライドを見れた気がした。