腕組むな ページ4
「あ…えっと……」
『時間切れー』
「え」
鈍い音が連続で鳴る
『ん』
「…ありがと」
差し出されたのはポカリ
一気に半分飲み干した
『なんでそんな息切れとん』
今までと変わらん様子で話しかけてくる
「Aを捜しとった」
『…ふーん』
Aがお茶をぐっと飲んだ
『…なんか用事？』
「俺と付き合って、A」
『…は？』
口をぽっかり開けて俺を見る
「好きなんよ、Aのこと。ずっと」
『……』
「…あかん？」
『…ごめん。すーのこと、そんなふうに見たことない』
「うん、知っとる。やからやん」
『…？』
「俺のこと、これからは男として見て」
『…』
「その上で、返事がほしい」
『…いや、え〜……』
ちょっと面倒くさそうに目をそらす
「わかった」
『？』
「俺がどんだけAのこと好きか、証明したる」
『…はぁ？』
「A好き」
『ちょ…こっち来んな』
「Aぎゅー」
『…セクハラですよ、洲崎さん』
「貴郁♡って呼んで♡♡♡」
『なにその“♡”…』
「Aちゅー…ふがっ」
『…それはまじで社会的に殺す』
「…すいません」
山田side
「…戻ってこんな」
Twitterとインスタ用に写真撮って帰ろって話しとったのにな……
…というか、あいつ大丈夫なんかな
だいぶショック受けとったけど…
「…まぁ、そらそうやんな」
この世で1番恥ずかしい勘違いやもんな
洲「たっだいま〜っ」
るんるんの洲崎と
『………』
げっそりしたA……
「…えーっと」
『助けて健人……』
洲「え？俺に頼ってよ」
『腕組むな』
うーん…なんでこうなった？
洲「＿＿ってなわけで、正式に付き合うことになった」
「いや、どこが？」
お前の一方的な愛やろ笑
『まじやめて』
「Aはなんで嫌なん？」
洲「そうやで！こんなイケメン今捕まえな、もう捕まえられへんで？！」
『自分で言うな腕組むな』
Aが洲崎の腕を振り払う
『…今更、そんなふうに見れへんわ恥ずかしい』
Aの耳がちょっとだけ赤くなった気がした
洲「A可愛い…知っとったけど」
『うるさい腕組むな』
「なんだかんだ言っていつもの感じやん」
…Aとは大学のとき初めて会うた
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作者名：まなか | 作成日時：2020年5月9日 11時
