Circle 3 (KAI) ページ16
眠れなくて、散歩でもしようと外を歩いてると見覚えのある家。
Aの実家だ。
わざとじゃない。間違って来てしまったとでも言うべきか。
そうやって黙って家の前で突っ立っていると、出てきたのは見覚えのある顔。
彼女の母親だった。
しばらく会ってなかったからちょっと緊張した。
「あら？じょんいん君？元気にしてた？」
俺に気づいた彼女の母親は笑顔で話しかけてくれた。
『はい』
「どうしたの、遅くに」
『散歩してたんです、眠れなくて。宿舎がこの近くで、たまたま通りかかったんです』
気丈に振舞ったつもりだ。
君の名前は出さないように。
休暇の時はこっちに戻ってるのかとか余計なことを考えながら。
そしたら彼女の母親は言ったんだ。
「ちょっと寄って行きなさい。A、明日OFFだからって今こっちに向かってるのよ。あと5分くらいで着くと思うわ」
そう言って俺の手を引いて中に通した。
彼女の母親はコーヒーを出してくれて、待っててねとその場を後にした。
そのあと、間も無くしてドアが開く音がして、ただいまと聞き覚えのある声がした。
リビングに来た君の瞳が数時間前のそれよりも大きく揺れた気がした。
『お邪魔してる』
「あ、うん」
「おかえり、A。お茶いれるね」
「ただいま。ありがとう」
彼女の母親が出てきたおかげで空気が和んだ。
母親はお茶を出してすぐ、眠たいからと寝室に戻っていった。
沈黙の続くこの部屋で先に口を開いたのは君だった。
「どうか、したの？」
『いや、特に何しに来たとかじゃない。通りかかっただけ』
「あ、そうなんだ」
やっぱり俺は不器用だと思う。
今俺と同じような状況にある奴がいたら手をあげてくれ。
彼女のような人がそばにいて、俺の気持ちを理解できるなら、その人を捕まえて本当の気持ちを伝えろ。
俺だって伝えたい。
お互いに付き合ってる人がいて、でもどうしてもお互いのことを忘れられない。
そこから抜け出したい。
でも真実を伝えたいとも思う。
俺はどうしたらいい。
「じょんいな…私…」
今にも泣きそうな彼女。
ほっとけなかった。突き放せなかった。
俺はまだ君が…
『…A……好きだ』
(Circle / Marques Houston)
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sumin(プロフ) - あやさん» あやさん！コメントありがとうございます！嬉しいですっ！リクエストもちろん大丈夫です！曲も決めていただくと書きやすいです！ (2014年8月4日 23時) (
レス) id: e708c917b9 (このIDを非表示/違反報告)
あや - すごいです！あの、リクエストで…チェンとの死ネタ話…できますか？あと、曲もリクエストできたりしますか？ (2014年8月4日 13時) (レス) id: d8f3f38659 (このIDを非表示/違反報告)
sumin(プロフ) - アムさん» アムさん！ありがとうございます！頑張ります！何かリクエスト等あればいつでも仰ってくださいね！ (2014年4月14日 23時) (レス) id: e708c917b9 (このIDを非表示/違反報告)
アム(プロフ) - はじめまして！すっごくすきです！大変かと思いますが、更新がんばってくださーい！ (2014年4月14日 12時) (レス) id: 13cae9ab82 (このIDを非表示/違反報告)
sumin(プロフ) - 神さん» 神さん！コメントありがとうございます！一応今それぞれの小説の一番最後に曲名と歌手名を書きました。何かリクエストなどあれば是非お願いしまーす！これからも読んでくださると嬉しいです！ (2014年4月1日 16時) (レス) id: e708c917b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Sumin | 作成日時：2013年11月12日 0時
