Lythrum 〔Q.K〕 (ページ20)

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その日から僕は僕なりに頑張ってみた。
些細なことでもAさんに話しかけてみたり
相談に乗ってもらったり、どう話そうか迷いながら考えながら緊張しながら話したからほとんど何を話したかなんで覚えてない。

覚えている事はずっと向けて欲しかった
Aさんの笑顔が僕に向いてた事だけ……。

こうちゃんや須貝さんに｢最近2人仲良いね｣と
言われるようになった。
2人とも僕があんまりAさんと話さないから
何かあったかと心配してくれていたようだ。
2人に心配をかけてしまったようで申し訳なくなった。

｢ねぇ山本くん。今日お昼一緒に行かない?｣

撮影がトラブルで開始が遅れることになり
オフィスで記事を書いて待とうとパソコンを開いて数十分後、何故か僕はAさんにお昼に誘われていた。
彼女は僕の隣の椅子に腰掛けると

｢駅前に新しいカフェが出来たらしくてそこのパンケーキが美味しいらしいの！｣

｢新しい場所って1人だとなかなか入りずらくて…山本くんにちょっと報告もあって…｣

｢忙しい…？｣そう眉を下げて笑う彼女。
好きな女の子に誘われて断る男なんていない。僕は二つ返事でAさんとカフェへと向かった。

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