10**shuta sueyoshi ページ10
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誰ですかって聞かれるの思ってたより寂しいのな
今まで、『AAAの末吉秀太さんですよね?』って
そう話しかけられることが多かったからか
誰ですか……?って(笑)
でもすぐ気づいて謝ってくる彼女を見て
俺は悪い気はしなかった
むしろおもしれえと思って、
もっと話したいとさえ思った
さ、帰ろうかなと思い
「マスター、俺帰ります」
お会計をすませ、店を出る
数メートル歩いたところで店のドアが歩く音がして
でっけー声で
「すえよしさん!!!!」
俺を呼ぶ声がしたからびっくりしつつ振り返る
するとそこにはAちゃんが立っていた
俺の元に走って駆けつけると
息を切らしながらこう言った
「あの……っ、私、実は……
記憶障害で記憶が一週間しか持たないんです」
突然告げられた彼女の病気
俺はなんて言えばいいかわからないでいた
すると彼女はこう続けた
「何度忘れても、私……
末吉さんとお友達になりたいんです」
俺は生まれて初めて女の子に
"友達になりたい"って言われた
なんか小学生の時のような気持ちになった
「いいよ」
俺がそう返事すると彼女は
「えっ、ほんとに?ありがとうございます!!」
そう言って初めて目が合った時のように
ふにゃっと笑った
素直に、いまできた
"友達"
を大事にしていきたいと思えた
「たくさん嫌な思いさせてしまうかもしれません。明日忘れてることだってあります。でも、ノートにたくさん思い出を書いて思い出せる努力をしたい。だから一緒に……その……」
「大丈夫、忘れたってまた言うから。何回の初めましてがあったっていいと思うよ。なんか楽しいし」
こうして彼女と俺の"友達"がはじまった
でも彼女の病気は俺の思っていたよりも辛くて
悲しい病気だった……
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ちび澤(プロフ) - 朔弥さん» 読んでいただきありがとうございます!一気に読むとさらに気になりますよね!続編もぜひよろしくお願いします! (2017年3月2日 0時) (レス) id: d8d6b4be6e (このIDを非表示/違反報告)
朔弥(プロフ) - 一気に読んじゃいました。これからの展開気になって仕方ないです笑 (2017年3月1日 22時) (レス) id: 9bcc2b5a2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちび澤 | 作成日時:2017年2月18日 23時