大切なことはすべて君が教えてくれた

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初めてみた彼女の涙


それは儚くて


今にも消えてなくなりそうな気がした



『忘れるのが怖い』



思い出を作るってことはこういう事なのか


楽しい思いをしてほしいのに


逆に苦しめてしまっていたなんて


本当に明日忘れちゃいそうだったから


俺も甘えてみた



「秀太って呼んで」




俺は忘れないから、



せめて今日の気持ちでそう呼んでほしかった



その声は一生忘れねぇと思う



「私、秀太の事大好きです！」



それがどんな感情であれ俺は嬉しかった


俺もそれに応えるように



「俺も大好きだよ、A」



と言って、この気持ちが今1mmでも伝わればいい


そう思った



でも人間って欲張りだから


忘れないでくれって願う自分もいる


俺も泣きそうになってると後ろから



「俺も二人が大好きだからな。絶対忘れないから。大丈夫また三人で来ような」



日高が泣きながら俺らを抱きしめてきた


どっから聞いてたか知らんけど


"友達"ってこんなにあったかいもんだったっけ？


って


大人になるにつれて忘れてた大切なことを


思いださせてくれた


そんな彼女には感謝しかない




その後、自宅まで送り届けて帰る


彼女をひとりにするのはなんか心配だったけど



「また、あした！」



そう言って笑顔で手を振る君をみたら



大丈夫な気がした

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