28** ページ28
.
たくさん回って、夕方になってきた
思い返せば楽しかった一日
友達になるってこんなに楽しいことだったんだね
最後は大きい水槽に浮かぶクラゲを見ていた
日高さんはトイレに行っていて
私と末吉さんだけしかいなかった
「楽しかったか?」
「はい、とっても!」
「また、来ような」
「……」
初めて、忘れたくないって本気で思った
自分の病気を恨んだ
このクラゲみたいに自由になりたい
明日起きた時に忘れちゃうかもしれない
そしたら今日はなかったことになる
そんなのいやだ
そう思ったら目からはたくさんの涙がこぼれてきて
「……忘れたくない……」
「ん?」
「末吉さん…楽しすぎて忘れるのが怖いです」
溢れる涙は止まることを知らず
末吉さんはそっと自分の胸に抱き寄せてくれた
「忘れたっていい。
何度でも水族館連れてくるから」
「でも…今日がなかったことになっちゃう」
「俺が忘れなかったらなくなることはないよ」
「私…忘れるのが怖いんです。末吉さんたちと出会って毎日が楽しくて。でも夜になると不安になるんです。明日起きて忘れてたらどうしようって、この今の気持ちもなくなってしまうのが怖くて……怖くて……」
144人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちび澤(プロフ) - 朔弥さん» 読んでいただきありがとうございます!一気に読むとさらに気になりますよね!続編もぜひよろしくお願いします! (2017年3月2日 0時) (レス) id: d8d6b4be6e (このIDを非表示/違反報告)
朔弥(プロフ) - 一気に読んじゃいました。これからの展開気になって仕方ないです笑 (2017年3月1日 22時) (レス) id: 9bcc2b5a2f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ちび澤 | 作成日時:2017年2月18日 23時