灰色のI #01 (ページ10)

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次のコンサートで踊る曲らしく
さっきの先輩Jr.は鏡の前で
私は後ろの方で先生を見ながら
身体を動かしていく

最初は先生のカウントで
振りを確認してすぐに曲が流れる

身体に溶け込むように入っていく
ダンスが心地がいい
あぁやっぱダンス楽しい

いつもと違うのは
1曲分のダンスを教えて貰ったら
すぐ次の曲にいってしまう
それを繰り返してとりあえず5曲分
流れるようにして教えてもらい
休憩に入った

周りのJr.の子たちは
各々少し水分を取ったら
振りの確認をしあっている
メモを取ったりする子もいた
ダラっと休憩している子はいない
Jr.といえど仕事だもんなと感じ

私も軽く水分を取り
後ろの方で確認しながら
軽く踊ってたら

先生に声をかけられた

先生｢君が素浦？｣

はい。そうですけどと
先生を見れば

他のJr.と打ち解けるのは
今はまだ難しいと思うけど
1人でやっていく子はなかなか
いないよ、仲間作りも大事
今のところは素浦1人の実力で
ついてきてるみたいだけど
とアドバイスしていただいた

まぁ、仲間でありライバルだから
って言って離れて行った

ふと鏡越しで誰かと目が合う
さっきの先輩Jr.の1人だった
…目が合ってると言うよりは
睨まれてるに近い
男の中に1人女がいるから
そりゃ気に食わない人も
いるよなって考えて無視して
そのまま振りの確認をしてたら
睨みつけてた先輩が私に近づいてくる

？？？｢おい、お前新しいJr.？｣

今度は鏡越しじゃなく
直接睨みつけてくる
はい。と短く返事すると
何か文句を言うわけでもなく
どっか行ってしまった

…いや、なんだよあの人
何もないなら睨らむなよ
って心の中で文句言ったが
一応先輩だし大人しくしとこうと
また振りの確認に集中した

休憩が終わり、さっきの5曲を流しで
何度か確認したらレッスンは終わりらしく
先生は帰ってしまった

なかなか覚えられない子は
誰かと確認し合って
先輩Jr.の方たちも飲み物を
買いに行ったらしく
まだまだ帰る感じはしない
私はジャニーさんに終わったら来てねと
言われているので
帰る準備を始めた

周りの視線が痛い
Jr.の子が私を見てなんか言っている
気にしてもしょうがないと
荷物を持って出ようと立ち上がったが
急にカバンを引っ張られて
フラついてしまった

思わずカバンを引っ張った人を
睨みつけると

お前、本当に女なの？って
すごくバカにした言い方をされた