灰色のI #01 (ページ8)

今日:6 hit、昨日:2 hit、合計:15,871 hit

― ページ8

_

お父さんは天国に旅立った

お父さんのことが大好きだったお母さんは
毎日泣いてだいぶ痩せたりなんかして
お姉ちゃん2人もたくさん泣いて

それを見ていた私は泣いちゃダメだ
3人を守るのは私なんだと
みんなの前で泣かないようにしてた

それでも鏡を見れば
お父さんの面影を感じる顔に
だんだんと視界がぼやけてくる

そうゆう時はダンスで誤魔化すか
誰にも見られない用に
声を押し殺して泣いた

少しずつ少しずつまた笑える様に
なったころ、お母さんが
私の顔を撫でて、
お父さんにそっくりで男前ねって

お姉ちゃん2人とAは
宝物よありがとうって言われた

少しでも家族を守れるなら
何でもしようって
そばにいてあげようって思って

大好きなダンスやめよう
お母さんの負担になりたくないし
本当は、辞めたくないでも
金銭的にも、精神的にも
どうにかしたかった私は
次のダンスレッスンの日を
最後にしようと決めた

鏡張りの前でキュッキュとダンスシューズの
音と教室に響くかっこいい洋楽と
息のあった仲間とのダンス

楽しい時間はあっという間で
ありがとうございましたーと
みんなが帰っていく中、
先生に無理を言って1時間だけ
1人でダンスを出来る時間を貰った

息をするのも忘れるぐらい
感情に任せておどる
いつの間にか泣きながら
踊ってて
苦しいんだけど踊るのを
辞めたくないって
噛み締めて最後まで踊りつづけた

1時間も、あっという間で
帰る準備をして最後の、挨拶をしようと
先生のところに向かうと
初めて会うおじいちゃんがいた

こんばんはと声をかけると
さっきのダンスをずっと見て
くれていた見たいで
ダンス上手だね、先生から聞いたけど
辞めちゃうのもったいないよ
ってありがたい言葉を頂いた
ダンス好きなんですけどね、
通うのもお金かかっちゃいますから
と笑ってて誤魔化せば
そのおじいちゃんが少し考えて

｢youジャニーズに入っちゃいなよ｣

って。もちろんジャニーズって
男の子だけなのも知ってたから
私、女ですよ？って笑えば
まぁそれなりに条件はつくし
大変なこともあるけど
ダンス続けることできるよ？
youなら見た目も大丈夫そうだし
金銭的な負担はかけないよ？

と私の頭を撫でてくれた

これがジャニーさんとの出会いで
私を捨てて僕になった