8話 ページ9
syp side
Aさんがおかしなことを言ってきたので俺は昔のことを思い出してしまった……
小さい頃、異能が目覚めた俺は親や友人たちから怖がられていたのを今でも覚えている。
親も友人もまるで俺を人殺しのような目で見る。
なんでこわがるの？
おれはなにもしてないのに……
何度も一人で呟いた。
小さかった俺は一人ぼっちという事実に耐えれなくて何度も泣いた。
そんなある日親が死んだ。
俺が異能を上手く使えなかったせいで毒によって死んでしまったのだ。
親を殺した。人を殺した。
彼らが言っていたように俺は本当に人殺しになってしまったのだ。
それから異能を上手く扱えれるようになれば、昔よりも毒素の強い毒を作れるようになったし、眠りを誘う毒やしびれさせる毒も作れるようになった。
今では戦争でこの異能を使って多くの人を殺しているが、小さい時はそれが怖かった。
今も少し怖くなる時がある。
俺に居場所を与えてくれたあの人達を殺してしまうのではないかと……
だけどAさんの話を聞いているとまるで沢山共犯者ができたような気分だった。
人間、他の人が悪いことをしていれば自分が同じことをやってもまだ悪くないと思えるのと一緒だ。
異能は世界を前進させた。そして異能は何万人、何億人もの命を奪った。
改めて考えると別に俺だけじゃないんだな…と不思議と心が少し楽になった。
syp「…ッ！？」
『大丈夫だよ…』
まただ。
彼女の気配に”また”気付けなかった。
彼女は何を思ったのか親が子を安心させるように頭を撫でてきた。
一般人の気配に気付けない悔しさ。自分のほうが歳上なのに親のような手付きで撫でてくる恥ずかしさでいっぱいになる。
なのに彼女のオドオドしているはずの声は意味がわからないくらい優しくて、大丈夫と言われるたびに心が軽くなる。安心する。
………俺はいつもよりおかしいのかもしれない。
だからちょっとおかしなことをされても今日だけ、今日だけ…と思うことにした。
数十秒撫でられていきなりバッと離されてたが、もう少しこのままでも…と思ってしまう。
＿＿＿やっぱり今日の俺はおかしかった
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スイ(プロフ) - 東城彩さん» そう思ってくれてありがとうございます！これからも更新作者が飽きない限りがんばります！！ (2023年1月6日 18時) (
レス) id: e5b7e97858 (このIDを非表示/違反報告)
東城彩(プロフ) - コメント失礼します。もう、なんか、言葉に表せないくらい好きです！主人公の性格っていうんですかね？凄く好きです！応援しています！頑張ってください！ (2023年1月6日 17時) (レス) @page20 id: f1f6335713 (このIDを非表示/違反報告)
スイ(プロフ) - ルーアさん» 読んでくださってありがとうございます。そう思ってくれて嬉しいです！初コメントありがとうございます！！ (2023年1月5日 18時) (レス) id: e5b7e97858 (このIDを非表示/違反報告)
ルーア - 読んでてすごく心躍る作品ですね！更新楽しみにしてます！幸せなひと時をありがとうございます。 (2023年1月5日 18時) (レス) @page20 id: 029ea983b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あいうえおかし x他1人 | 作成日時：2022年12月27日 12時
