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《「1組の本山さん、お題はなんですか?」》

《「あ、憧れの人、です…!」》

《「クリアです!」》


…僕って憧れられるような人じゃないけどな…
まあいいや。
隣にいる比奈が僕のことをじっと見つめていた。


《「4組の奥田さん、お題はなんですか?」》

《「クラスに一人でぽつんと(たたず)んでいそうな人です!」》

《「確かに…孤高の存在感がありますね!クリアです!」》


4組さんのお題、よく言えば孤高の存在、悪く言えばぼっち。
その言葉を咄嗟(とっさ)によく変えるのは流石だな…


《それでは一年生の皆さんありがとうございました!席にお戻りください!》


一年生は観客席に戻る。
僕も戻ろうとすると腕を掴まれた。


「…どうしました、颯太さん。」

「…Aさんは…憧れですよ…」


それだけ言うと颯太さんはお兄ちゃんたちのところへ戻った。



「…それは…テアであって僕ではないよ…」


変わらないはずなのにいやに風が冷たく思えた。
…テアじゃなくなった僕はどうなるんだろう…


「…A〜…どした?」

「…いや、ちょっと疲れただけ。」

「…ふ〜ん…」


観客席に戻ると比奈が真っ先に話しかけてきた。
疑うような目で見られていたけど気にしない。
テアじゃなくなった僕に意味はあるのかな…



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作者ホームページ:無し  作成日時:2021年10月31日 16時

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