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《「青海くんでーす!」》


私の方を睨んでいるA。
あっはっは、私死んだ。


《「青海くんは好きな人とか付き合ってる人っていないの?モテるし先輩からも人気だよ!」》

《「…いえ、そういう人はいませんね。」》


滅茶苦茶無表情。
マスクで隠れているからほとんど見えないけど…


《「告白されても全部断ってるのって彼女いるからじゃないの〜?例えば九十九比奈ちゃんとか!」》


待って待って待って!?
先輩達の視線が痛い!


《「…比奈は友達です。それ以上でもそれ以下でもないです。」》

《「え〜怪しいな〜」》


そうだよ!友達!
二年の先輩一回黙って!


《「実際さ、自分がモテてるなって思う?」》

《「…思いませんよ。」》


Aだしそんなこと思わなさそうだよね…
っていうか恋愛に興味なさそう。


《「正直ちょっとは思うでしょ!?」》

《「ちょっと八田さん!流石にしつこいでs」》

《「五月蠅(うるさ)いから黙ってて!で、青海君実のところどう〜?」》

《「…そうですね〜…」》


あ、A。
…結構キレてる。


《「八田さんよりはモテるんじゃないですか?」》


会場が静まる。
そのあとドッと笑いが起こる。
八田さんは俯いてプルプルしていた。
…そりゃ怒るけど自業自得。


《次の種目の用意をします!出場する人は準備を、前に出てくれた松山さん、青海君、八田君はお戻りください!》


Aが楽しそうに戻って来た。


「ただいま。」

「青海君、八田先輩に目付けられない…?」

「大丈夫だよ、近藤くん。」


借り人競争の準備をするためにビブスを手に取るA。
青いビブスが白い体操服に映える。
…やっぱり顔整ってるな…


「じゃあ、行ってきます。」


微笑していったA。



「…笑えてる…」


Aには笑っててほしい。
そんな願いが叶うのも近い…かな?



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作者ホームページ:無し  作成日時:2021年10月31日 16時

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