不登校の君【stpr】【桃】

8話 ページ9

さとみside


なんでだろう。
なんで、こんなにAに心を許せるんだろう。


こんなに心を許したのは、5人とAだけ。


今もほら、みんなと楽しそうにゲームやってるAがいる。


実際みんなには会いたいと思ってたし、スマホを見てないのはほんとだった。


1年半もずっと一緒にいたやつらと会えないなんて、つまんないよね。
でも、不登校になった理由を探られるんじゃないかってどこか不安な自分もいた。


会ってみたらそんなこと一言も言わないし、嫌な顔も全くしないで、前と同じように接してくれた。


A「そういえば、この学校体育祭はやいよね？」


ななもり「5月だから、もうそろそろ準備始まるかな。」


ジェル「明日係決めるんやろ？」


とりあえず入学はしたけど1日も学校にいってない俺にはなんもわかりませんわww


さとみ「俺スポーツしてるみんなみたいなー」


ころん「あ、そういえばAめっちゃ運動神経いいよ！体育の時やばかった。」


うん、それはわかるよ。
だってあの窓の距離を普通に跳べちゃうんだもん。


A「そのぶん、頭くっそ悪いけどね。テスト近くなったらマジで病むからww」


ジェル「さとみくんに教えてもらえばええやん。」


Aが、え？みたいな顔をした。


多分、


さとみ「『え、さとみくん不登校だよね？授業受けてないのに頭いいはないでしょ。さすがに学力レベル1年半前のところで止まってるでしょ。』って思ったでしょ。」


俺の女声に、みんなが爆笑する。


A「思ったことそのまま言われすぎて怖いんだけどww」


さとみ「高3までなら教えられまーす。あ、理数ならね。」


まじで国語できないんだよな。
英語と社会は普通なんだけど。
いやね、なんで俺が筆者の考えとか、筆者が作ったやつの気持ち考えなきゃいけないの？って思う。


ななもり。「国語なら教えられるよ。」


なーくんは、確かに国語できるよなー。
すごいと思う。


莉犬「俺英語できるよ！！」


るぅと「僕、社会なら…。」


ほら、るぅとってサイコパスだからさ、戦国時代とか大好きなんだろうな。


A、ジェル、ころん
「「「…テスト前はよろしくおねがいします。」」」


あれ、2人増えたww
ジェルくんところんは…うん、頭よくないな。


テストいつか知らんけど、テスト前この家うるさくなるのかww


不安なんか忘れて、楽しんでいる自分がいた。

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