不登校の君【stpr】【桃】

33話 ページ34

ころんside


僕は、どうすればいいの？


Aに嫌われるって言う結論を自分で出したとき、僕は眠ることが出来なかった。

でもそれが、Aとさとみくんのためになると思った。


でも、逃げていただけだった。
想いを伝えたところで自分を好きになってくれない。それが怖かった。
結局は、自分のためだけに、僕が考えたことだった。


さとみくんは今、Aと会っていない。


ピロン


ななもり『奪うチャンスなんじゃない？誰かのために、自分の気持ちを我慢するのは何よりも辛いことだよ。』


なーくんから、LINEが来た。


僕は、なーくんの言葉について行ってもいいのか。


もしかしたら、今からでは遅いかもしれない。
でも、僕はきっといつまでもAのことが好きだから。


今、僕はAと付き合っているんだから。


Aは、自分のさとみくんに対する想いに気づいていないんだから。


さとみくんは、Aにもう来ないでと言ったんだから。


奪われるまでに、僕を好きになってもらえばいい。


最終的にどうなるかはわからない。
でも自分の気持ちに正直に、なってみようかな…。


実際のところ、Aとさとみくんが付き合うことになったとしてそれを見るのはものすごく辛いだろう。
これまでのやり方なら。


でも、僕は4人に背中を押されたから。


Aがさとみくんを好きって気づくまでは、
さとみくんがAを奪いに来るまでは、


Aを僕のものにしてもいいですか？




周りに最低な男って思われてもいい。
僕のそばには4人がいて、支えてくれる。


王道じゃないかもだけど、僕はAが好きだから。

僕なりに、Aに想いを伝え続けるんだ。


それでもしAがさとみくんのところに行くなら、本当の笑顔で笑って、友達として、送り出そう。


僕は、Aの笑顔が大好きなんだ。
せっかくなら、僕のことで笑顔になって欲しい。


告白した時のような戸惑った『好き』じゃなくて、笑顔で『好き』とAに言って欲しいから。


だから、さとみくん。
奪えるものなら、奪ってみろよ。


僕は4人のおかげで前を向けた。


だからさとみくんも、前を向いて。
正々堂々と勝負をしよう。

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