不登校の君【stpr】【桃】

32話 ページ33

るぅとside


ななもり｢俺は…ころんがそこまで無理をする必要ないと思う。誰かを好きって気持ちは、自分でわからないと意味が無い。ころんのことだからさ、Aのこと最優先に考えちゃうんだと思うけど、もっと自分に正直にいていいんじゃないかな。｣


ころん｢Aが僕のこと好きじゃないってわかってるのに、僕は想いを伝え続けるの？そんなの、ただのアホなヤツじゃん‪w｣


笑いながらそう言うころちゃんは、寂しそうな顔をしていた。


ななもり｢男ならさ、そう簡単に譲っちゃダメだよ。Aのためってころんは言うけど、それは逃げてるだけなんじゃないの？｣


ころん｢…そうだよ。Aのためなんかじゃない！自分が、辛い思いをしないためにこの選択をしてんだよ！｣


ななもり｢今は辛いかもしれない。でも、諦めずにAに思いを伝えよう？それで、さとみくんとぶつかればいい。最終的にAがさとみくんを選んだとしても、しっかり逃げずにAと向き合えたなら、ころんは後悔しないと思う。｣


ころん｢そんなのただの綺麗事だろ！みんなに、僕の気持ちなんてわかるはずがない！｣


ななもり｢綺麗事？…自分の気持ち隠して相手に素っ気ない態度とって、自分が辛い思いしたくないだけなのに、Aは自分以外の人と付き合うほうが幸せって言って、それの方がよっぽど綺麗事なんじゃないの。最後まで相手に想い伝えないと、あとで後悔するのはころんだよ。｣


ころん｢そんなのっ…｣


ななもり｢ここから先は、俺らが口出すことじゃないね。ごめんね、しつこく言って。じゃあ。｣


ころん｢まって…｣


ころちゃんの声も聞かず、なーくんは部屋を出ていってしまった。
僕たちも、ついて行った。


莉犬｢ちょっと、キツかったんじゃない？｣


ななもり｢やっぱり、親友には笑ってて欲しいから。きつい言い方したかもだけど、あのままじゃころんは確実に後悔する。ていうか、あのままだと多分誰も幸せになんてならないまま、終わるから。｣


なーくんの言葉は説得力と大きい重みがあった。

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