19話 ページ20
Aside
夜になっても、さとみくんの部屋の窓は開いていた。
今日は風が涼しいから寒いはずなのに、さとみくんは閉めるようすがない。
A「はぁ…。いっそのこと、私のことなんか忘れてくれないかな。」
さとみくんにスマホに入れられたダイゴを起動してみる。
マッチングして、味方の名前には『さとみ』というものがあった。
まさか…と思ったら、ほんとにさとみくんだった。
さとみくんが、窓を除いてたのが見えた。
まだ…さとみくん待っててくれるのかな。
さとみside
さとみ「っ、さっむ。」
カーテンが、風の音に合わせて揺れる。
空は、もう暗くなっていた。
今日はみんなが帰ってくるくらいの時間からずっとAが来るのを待ってたのに、いつまでたってもこない。
もう9時過ぎてるし、さすがに来ないか。
そう思っていたけど、窓は閉めないでダイゴを起動した。
さとみ「…ん?」
この前俺が作った、Aと同じ名前の人とマッチングした。
アイコンもIDもあいつのってことはやっぱりAがやってんのか?
向かいの部屋は電気もついてるし、なんかあったわけではないのか。よかった。
一瞬窓から向かいの部屋を見てみたが、よく見えなかった。
なんで1日会ってないだけなのにこんなに不安になってるんだろう…。
よくわからない気持ちを掻き消すようにダイゴをやめてスマホの電源を切った。
さとみ「あ、これかたしてなかった。」
そう言って、床に投げ捨てられた青い袋とカッターを拾い上げた。
これをAが見ていたなんて、考えもしなかった。
ベットに座って、カッターをカチャカチャした。
さとみ「もう、このカッターダメになっちゃったかな。」
いつものようにカッターをゴミ箱に捨て、新しいカッターを出す。
今回は、ダメになるのいつもより遅かったな。
カッターを引き出しにしまって、ゲームが入った棚から1冊のノートを取り出した。
この間、Aに見せなかった俺の日記。
今では書いてないけど、昔の俺がいろんなことをぶつける場所だった。
最初のページを開くと、昔の俺がした殴り書き。
字もひどいし、書いてあることもひどい…w
今考えれば、俺って逃げてるだけなんだよな。
辛くても学校いってる人いるのに、俺は部屋に引きこもってゲームしてるだけ。
そういうことを考えられるようになっただけ、昔の俺よりも成長してるのかな…って。
変なことを考えながら、俺は目を閉じた。
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作者名:いくみ | 作者ホームページ:飲んでなくない?🍺∩(´^ヮ^`)∩🍺 うぉううぉう!...
作成日時:2018年11月20日 23時