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「はぁ?お前が男の子助けるとか嘘すぎるだろ。もうちょいマシな嘘つけなかったん?」



トイレから戻ってきたさとみに男の子のことを説明した後の第一声がこれだったため、Aは少し不愉快になる。



『黙れよ。ここにその男の子いるじゃねえか』



Aが目を向けた先にはAと手を繋いで不安げにしている男の子が。



流石のさとみでもその男の子を見ると信じる以外なかった。



「あー、ね?けどこんなとこにいてもそいつの親見つかんねえの?」



『まじで見つかんねえの。男の子がお母さんって言う女性も男の子探してる女性もいない』



そう、問題はそれなのだ。お母さんを見つけられない。



もしかしたら放送されるかもしれないとも思うがゲーセンから離れるのもできなくてそのままそこにいるしかできない。




「俺外で放送聞いて来るからお前男の子とそこで待ってろ。放送されたら呼びに来るから」



『オッケー。君は僕とここで待ってよーね。お兄さんもお母さん探すの手伝ってくれるって』



さとみはAの男の子に話しかける時の話し方にちょっと引いた。口も性格も悪いってなんだよ、と。



「あ、りがと…」



『わかるこのお兄さん怖いよね』



Aは男の子が人見知りしているのを自分に都合のいいように解釈した。



さとみをイラつかせるのが楽しいのだ。



「はぁ…取り敢えず俺はゲーセンから出るから見つかったら電話しろ」



『分かった分かった。んなの知ってるから早く行って、この子可哀想じゃん』



Aの言い分にため息をついてさとみは廊下に出ていった。

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作者名:める | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/n15a76543b1  
作成日時:2024年1月11日 7時

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