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Aの様子がおかしくなったので一旦元メンバー5人は帰らせた。
ななもり。に話しかけた後、軽い過呼吸に陥ったのだ。
今は落ち着い寝ててるけど…とさとみは考えた。
結局、もう深夜だし眠かったのかな、と結論付ける。
Aに何が起こったのかなんて本人にしか分からないし勝手に探るのも申し訳ない。
「アイツ、本当大丈夫かよ…」
さとみは自分が出した声にこれ以上無いほど驚いた。
独り言を呟いていたからではない。自分がAを案ずるような言葉を発したことに驚いたのだ。
それに今までリスナーへの愛を語ってきたさとみがその時の何倍も、愛おしむような声で。
「…嘘だろ…」
驚きすぎてさとみは自分の喉に手を当てた程だった。
まさかAにこんな言葉と声を出すなんて…とさとみは激しく狼狽した。
だが幸いながらAは過呼吸が落ち着いてからすぐ眠りに落ちたので隣の寝室に運んである。
この部屋は防音室だから聞こえてはいないはずだ。
「あー…!明日からどうすりゃ良いんだよ…!」
今まで普通の恋愛を経験してきたからさとみはこの感情を知っていた。
けれども相手は普通の女の子ではない。一緒に死ぬことを約束した相手なのだ。
「色々とヤバすぎだろ、ざっけんな…」
頭をかきむしっても答えが出てくるはずがないのにAが昔配信で迷った時はやってみたら?と言っていたのを思い出し、かいてみる。
当然、どうするべきかの答えは出てこない。自分で決めなくてはならない。
「あー…もう取り敢えず風呂入ってくるか…」
今日はAにベッドを譲っているからソファで寝ないといけない。
そんな普通の思考に戻すことを第一に考えながら行動に移し始めた。
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作者名:める | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/n15a76543b1
作成日時:2024年1月11日 7時