自分だけがいい死神さん＿死神side＿ ページ6
私はいつも、彼女を見ていた。
金のテンタクルとマップを歩き回る彼女、月下の紳士とデートとは名ばかりのランク戦に明け暮れる彼女、理髪師にベタ惚れな彼女…。
その視線が自分に向く訳もなく、いつも遠くから彼女を見守っていた。
そんなある日、荘園に一通の知らせが届く。
「ねえ待って吸血鬼リッパーだって！！！」
逃げるものも無いのに何を待てと言うんだ。呆れつつも彼女を宥め改めて目を通す。これは、これは………。
「死神と同じパック販売だね！よかったあ」
……………？
私と同じ、
胸に何かが引っかかり、彼女を宥める手が止まる。どうしたのと見上げてくる彼女を見て納得がいった。
自分と同じ、ということは彼女にとっての自分がもう1人増えるようなもので…。ただでさえ少ない彼女との時間がさらに減るとなると耐えられそうになかった。
＿＿＿＿＿
「私だけを使って欲しい」
意を決して放った言葉にあんぐりと口を開ける彼女。驚きますよね。呼び出されていきなりこんなことを言われたら。
「私だけを見ていて欲しいんです」
そっと手を握る。彼女の気持ちが自分以外に向くことが嫌でたまらない。
初めて来た時に素敵だ、大好きだとはしゃぎ直視できない集中できないとマルチ戦にさえ連れて行ってくれなかった彼女をまた独り占めしたいと思ってしまう自分が愚かで嫌になる。
「貴方は私だけを使えばいいんです。絶対的な勝利を捧げましょう。貴方の望む限りのボタンも集めます。」
すぎるような気持ちで訴えても、この真意が伝わる事はなくて。
いつもの笑顔を浮かべ共に出掛けようと言ってくれた彼女の優しさにまた甘える自分がここに居た。
好きです。
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灰色のもふもふ(プロフ) - 匿名さん» コメントありがとうございます。いい試合が出来次第あげてこうと思っております！楽しみにしててください(*´ｰ`) (2020年5月18日 0時) (
レス) id: 268e903cb0 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - 更新を楽しみにしながら毎日読み返してます...好きです...気が向いたら無常との絡みもぜひお願いします... (2020年5月12日 17時) (レス) id: 776fdad7d6 (このIDを非表示/違反報告)
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