【幼児化】すとぷり保育園！

＃２３ ページ23

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「さとみくんのばか！」




泣きそうな声が教室に響く。

わたしは膝にななもりくんをのせて、絵本を読み聞かせているところだった。

ななもりくんは、絵本なんかそっちのけで声のした方へ駆け寄る。わたしもついて行った。



『ころんくん？』


叫んだのは、ころんくんだった。


『どうしたの？』


と、わたしはころんくんの前に膝をついて問いかける。


ころんくんの両手を優しくぎゅっと掴んで

じっと目を見つめた。



他の子達はみんなさとみくんの方に集まる。



「べつになんでもない」


というがケンカはよくないこと。わたしが仲直りさせてあげなくてはならないのだ。


『なにがあったのか、先生に教えてくれない？』


「やだ」


頬を膨らませてぷいっとそっぽをむくころんくん。


はて、どうしたらいいものか。


ケンカの仲裁なんてしたこともないし、ましてや小さい子同士のケンカなんて初めてだ。



私が困り果てていると、さとみくんが口を開いた。



「俺がA先生のことだいすきっていったらころんが…」



ころんくんの顔を見ると、ころんくんは耳まで真っ赤になっていた。


「ぼ…ぼくだって、A先生のことだいすきだもん…」


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