だから命の火を吹き消して 外伝 ページ39
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璃月港の月海亭にて、双子の男の子と女の子が大はしゃぎしていた中、一人重苦しい雰囲気をまとっている女性がいた。この女性こそ今作の主人公(？)のアナスタシアである。
これは、本作で明らかにならなかった降魔大聖とのその後の物語。
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「はぁ…。」
「またため息？ナーシャ、そんなに悩んでるならいっそ聞いた方がいいのに。」
「か、簡単に言わないでください…。私だって頑張ったつもりなんです…。」
月が綺麗ですねって言葉が通じないわけがない。私が意図的に言ったことが伝わらなかっただけ…？それともまた別の理由があるのかも分からない。
(断られるのが怖い…。)
人を好きになった経験なんてなかったし、スネージナヤの人達は当時の私にとっては信用なんてとても出来なかった。
「もしかして忘れてるの？あなたはスネージナヤで氷の華って絶賛されてるほど美人だったってこと。」
「…外見なんて心を入れるただの入れ物にしか過ぎないですよ。それに顔だけで選んだ結果、あの人たちがあんな有様になってしまったんですから。」
「伯爵達は全員尋問された後に牢屋行きだものね、刑期が終わったら国外追放とか何とか言ってたわ。」
私とアステリア様は完全に両親と縁を切り、飛雲商会の事務作業を任されていた。…とは言いつつも、私はまだまだ新米でミスを連発してしまう。
今は休憩時間にビオンとヘレンの様子を見に、月海亭の前で遊んでいる二人を眺めていた。ビオンによれば、ヘレンは物心ついた時から少し凶暴だったらしい。
自分が侯爵に色々されている所を見て真似て育ち、彼女はそれを正しいと思ってやっていた。幼い時からそんな思考になってしまった…そんなヘレンが気の毒だった。
(前と比べて随分仲良くなったみたい…。)
「お姉様〜！！……きゃあっ！」
「ヘレン…！」
二人は私達のところまで走ってくる途中で、ヘレンの方が転んでしまった。私が駆け寄ろうとすると、ビオンが真っ先に妹の手を引っ張って立ち上がらせた。
「…もう、ヘレン気をつけてよね。」
「いったーい！！！」
「はぁ……。」
ビオンはため息をついてヘレンに向かって治癒をした。…そう、私には無かった神の目をビオンは先に授かっていたのだ。
水元素の神の目を持つビオンが、初めて行秋さんに会ったらどう反応するだろうか。…きっと憧れの対象として見るに違いない。
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天野アリサ(プロフ) - るさん» コメントありがとうございます…！前作から見てくださったのですね…！本当に感謝です…！今作も読んで楽しんで頂けたら幸いです！ (2022年11月17日 17時) (
レス) @page12 id: 08985c907f (このIDを非表示/違反報告)
る - 前作から見ていました！今作も面白いものをありがとうございます！ (2022年11月16日 19時) (レス) @page7 id: 1c00c5b49c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いるか | 作者ホームページ：
作成日時：2022年11月14日 12時
