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生きたいと願う声が聞こえますか3-1 ページ15

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ウォンモール伯爵令嬢には二つの武器がある。それは誰もが振り向く美人であるということと、平民出身の貴族と思わせないような”幾多の仮面”があること。

仮面とは貴族には必要不可欠なもの。仮面の下に潜ませている言葉のナイフをかわす彼女は、まさに唯一無二の強みだった。そして多くの仮面を持っている彼女は、時には恐ろしい一面見せた。

貴族社会で生き残るためには、彼女がもつ天性の顔以外で能力を見せつけなければならない。──けど、今日の伯爵令嬢様はそんな箇所が見受けられなかった。

(…行方不明の間にきっと何かがあったのね。)

私は飛雲商会に帰ると、行秋が私にべったりくっついてきた。

「ちょ、ちょっと…!行秋、離れて。」
「…どうしたんだよ、いつもは喜んでくるのに。」
「……コホンッ。使用人の方たちが見てますので。」
「そんな恥ずかしいことか?」
「あ、当たり前でしょう。……ねぇ、行秋。もしも、私があなたの目の前からいなくなったとしたら、あなたはどうするの?」
「…?何を言ってるんだ、うん…そうだな。そりゃもちろん、すぐに行方不明ということを知らせて探すのを協力させるだろう。」
「やっぱり、そうよね…。」

(間違いない…彼女の家族はきっと……。)

ウォンモール伯爵は物事を正確に捉えることが出来なかった。それになにより、先代の伯爵の方が優秀だと言う声もちらほら聞く。

そして、ウォンモール伯爵の後妻である夫人と出会ってからは、更にそれが悪化したといった。出来の悪い伯爵と伯爵夫人の間に育てられた彼女は、その二人に似ることが無く優秀だったとよく噂で耳にしていた。

「…何やら考えてるけど、どうしたんだ?」
「…え?ううん、ただ……。」
「ただ?」
「私と境遇が似てるけど、彼女はもっと…。」
「…?彼女って誰だ?」
「ううん、なんでもないわ。……というより、早く離して。」
「今日のアステリア、冷たいな。」

彼女が私と同じような思いをしていたとしても、いつかあなたにも…愛する人が見つかりますように。

(…ウォンモール伯爵、あなたは何故今頃になって彼女を探し始めたのですか?)

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設定タグ:原神 , gnsn , ショウ   
作品ジャンル:ファンタジー
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天野アリサ(プロフ) - るさん» コメントありがとうございます…!前作から見てくださったのですね…!本当に感謝です…!今作も読んで楽しんで頂けたら幸いです! (2022年11月17日 17時) (レス) @page12 id: 08985c907f (このIDを非表示/違反報告)
- 前作から見ていました!今作も面白いものをありがとうございます! (2022年11月16日 19時) (レス) @page7 id: 1c00c5b49c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:いるか | 作者ホームページ:   
作成日時:2022年11月14日 12時

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