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冷たいのは〜男主視点〜 ページ9
はぁ…
結局逃げてきてしまった
扉を開けた時の歌詞太郎さんの顔すごかったな
「空！」
顔を上げればナノの顔があった
『ナ…ノ…俺…』
ああ、雨が降っててよかった
じゃないと泣いてることがバレる
そうしたらナノは柚子に何するかわからない
「ここにいたら風邪ひくよ？中入ろ？」
上着をかけてくるナノの手は冷たい
『結構…探した？』
そう言うとナノはんーなどと曖昧な返事をする
やっぱり雨は冷たい
ナノの手も冷たい
あの日のアメリカも冷たかったな
・
・
・
「生徒会室行く？」
どうだろう…
今行けば多分柚子に会う
でも…
『うん』
逃げたくはなかった
逃げたら
次会った時は自分が壊れてしまいそうだったから
「…んじゃ行こっか」
ナノも生徒会室には柚子がいるってわかってるはずだ
それでも…
ああ、多分そらるさんか誰かに色々聞かれるよな
その時なんて答えよう
『ねぇ、ナノ』
「ん？」
微笑みながら聞いてくるナノはあの日…
「柚子の所為だ！柚子なんて死ね！」
あの日…柚子を殺そうとしたんだ
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