【コラボ】学園という名の…【歌い手】 (ページ6)

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わかんないよ…～女主視点～ページ6

『っはぁ…はぁ…』
少し前に通ったばかりの校庭
なにも変わらないのにまったく別の場所のように感じる

『…っ…も、どうしよ…』
涙で視界が歪む
どうして泣いてるの？
私に泣く権利なんてないのに…

裏庭の大きな桜の木に背中をあずける
誰もこない静かな場所

『…入学式終わったのかな』
きっと後で先生に怒られるんだろうな
そんなことはどうでもいい

『どうしてあの人がここにいるのよ…』
次々と溢れる涙が真新しい制服にしみこんでいく
『もう嫌だ…』
呟いた言葉は風に遊ばれる桜の花びらの音で
誰にも届かない＿＿＿＿はずだった

「柚子こんなところにいた」
『歌詞…さん？』
どうして貴方がここに？
いや、それよりも

『なにを企んでいるんですか』
「…なにも企んではないけど？」

この人のこういう時の目、ほんとに何を考えているのかわからない
でも嫌いではない…

『……今朝貴方に言われた通り生徒会室に向かいました』
歌詞さんは相変わらずの表情で頷く
『でも生徒会室に着く前に…あの人と…ぶつかりました…』
「あの人？」
『…私が…傷、つけた人…です』
「っ！」
私が言えば歌詞さんは顔をひきつらせた

＿＿＿＿＿私、これからどうすればいいの？

この学校に通うんなら必然的にあの人と顔をあわせることになるじゃない
そしてきっとナノさんにも恨まれてる…

『もう…わかんないよ…』