【コラボ】学園という名の…【歌い手】 (ページ47)

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話して？～女主視点～ページ47

『…っ』
「どうしたの柚子ちゃん？」
『い、いえ…なんでもないです』
「そっか…」

突然胸がきゅうっと痛んだ
なにか細い針のようなもので刺されたような…
気のせいかな？
背中が疼くような感覚が…

なんだろう…気持ち悪い…

「あ、じゃあ俺たちこっちだから」
「柚子ちゃんまた明日ね！」
『はい…』
96店長と別れて寮の部屋に戻る

ドアを開こうと手を伸ばしたらドアが開いた

「柚子ちゃんお帰り！」
『あ…ただいま、です』
「うん…」
『ろん先輩もお帰りなさい』
私がそう言うと少し笑ってから「ただいま」と言ってくれた

あぁ、ほんとに落ち着く

ろん先輩の笑顔は温かくて、安心できて…

「え、柚子ちゃん…どうしたの？何処か痛いの？」
『え…？』
「…泣いてるよ？」
え…と頬に手をやれば確かに涙が溢れている

『ぇ…なんで、かな…あれ…ﾋｯｸ』

拭いでも拭いでも溢れてくる涙は少しの間止まらなかった
その間、ろん先輩はずっと傍でなにも言わずにいてくれた

「…じゃあ…なにがあったか、聞いてもいい？」
遠慮がちに、でもストレートに聞かれた

…言っちゃっていいかな
空くんが嫌われるかもって、殺されるかもって言ったら……
ろん先輩どんな反応するのかな？

あ、なんか私…また楽な道選んでるな…
そうじゃん
全部言っちゃえば自分自身とても楽になる
でもろん先輩は…

私が口を開くまでじっと待っててくれるろん先輩

あぁ…そんなに優しいから甘えてしまう
いつだって私の周りには優しい人ばっかりで…

なのにどうしてかな…どこで狂っちゃったんだろう

『…さっき、屋上で』
私はおもむろに話し出す

――――話した方が空くんの仲間が増えるかもしれないじゃん

そう、自分に言い聞かせて