【コラボ】学園という名の…【歌い手】 (ページ36)

今日:2 hit、昨日:38 hit、合計:13,346 hit

ポケットの中の紙～男主視点～ページ36

『それは…』
そのあとの言葉を出していいのか戸惑った
屋上のことを言ったら柚子はどんな顔をするだろう

『なんでもないよ』
そう考えると言えなかった
俺はポケットの中に入っている紙をグシャと握り歩き出した

だけどあんな回答で納得するわけでもなく

「本当は？」
俺の前に立ち聞いてくる

本当は？

本当は屋上に行ったら紙があった
それを読んだ
それだけだ
なのに言えない

変な汗が流れる

『…本当に何もないよ』
そこまで言うと俺は柚子を無視して歩いた

紙に書いてあった言葉を忘れるためなるべく早足で

「ちょっと待ってよ！」
そんな言葉も無視する

―…いつの間にか寮についていた

『ここが寮だよ部屋は俺の隣』
後ろの柚子をみると大きいなどと目を輝かせている
さっきのことはもう気にしてない…のか？
よくわからないがいろいろなことが一日で起こったため早く寝たかった

『おやすみ』
そう言って部屋に入る

「おかえり」
先に帰ってたT先輩がベッドから起き上がる

『起こしちゃってすみません』
悪いなと思いつつ寝巻きに着替える

「いいっていいって、まだ寝てなかったから」
見ればベッドの中には携帯が入っていた

「柚子ちゃんとはうまくやれた？」
ベッドに入る前に聞かれた
が、答える気はなく一瞬動きを止めてベッドに入り目を閉じた