元気な先輩〜女主視点〜 ページ35
空くんが帰ってくると皆少し安心したような顔をした
そらるさんまでもがため息をつきながらも、頬を緩めている
いや、もともとこういう人なのかな…？
空くんは皆に信用されてるし、信用してるし…なんかいいな…そういうの
そんなこと考えてボーっとしてたら、空くんは寮に行くようだ
じゃあ、私は一応もう一度教室を確認してから…
「あ、じゃあ柚子ちゃんも連れてって隣の部屋だから」
思わない言葉が(いや私が方向音痴なのはばれてるから考えられないことはないが)出た
え、でもそれは空くんが迷惑なんじゃ…
でも空くんはなにか納得したような顔をして
「あー…じゃあ行くよ」
そう言って一緒に生徒会室を出た
すると突然かけられた元気な声。
振り向くと、可愛らしい顔をした先輩と思われる人が２人
声も可愛いのに顔も可愛いし、綺麗って…
「ろん先輩！っとひと里先輩！」
『！！』
空くんのこんな元気な声初めて聞いたかもしれない
『誰…？』
ついついそう聞いてしまった
空くんはやばって顔してるけど、ろん先輩とひと里先輩は少しニヤッとして
「お、彼女か〜？空坊」
「やるね〜」
などと空くんを茶化しだした
いやっ、こんないい人の彼女が私なわけがない
まずありえない！
「違います、気にしないでね」
ちょっとめんどくさそうな顔をしてる…
なんだか空くんの周りってこういう人が多い…ね
あ、そうじゃなくて屋上でなにがあったか聞かないと…
すっかり忘れていた
このまま寮に行ったらそのままもう会わないだろうし…
今聞かないと…！
丁度、先輩たちと別れたし…
『屋上で何をしてたの』
空くんはビックリしたような戸惑ったような顔で私を見る
直球すぎたかな…
ちゃんと話してくれるのかな…
そしておずおずと口を開いた
「それは…」
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