【コラボ】学園という名の…【歌い手】 (ページ29)

今日:7 hit、昨日:0 hit、合計:13,313 hit

声～女主視点～ページ29

空くんは少し戸惑ったあと、私に手を差し伸べながら

『俺は…柚子とこういう繋がりを持ちたいな』

そう言った

きっと手を取り合えるような…助け合えるような関係…だと思う
空くんは私を…こんな私を受け入れてくれようとしている

傷のことは気にするなと言っているんだ

信用してくれようとしているんだ

＿＿＿＿＿これ以上に嬉しいことはないだろう

さっきまでの涙は止まっていて、心の底から暖かいなにかが広がっていく感じがする
こいうのを友情っていうのかな？

空くんの手を取ろうとしたとき、彼の異変に気が付いた

…なにか…廊下、を気にしてる…？

『空くん…？』
彼を呼んでも答えない

誰かに聞かれたのだろうか
それはちょっとマズイ…よね

『…空ｋ…！？』
もう一度彼を呼びかけたところで、微かに…それでもハッキリ声が聞こえた

＜生きてたんだ…空君＞

確かにそう聞こえた

バっと後ろを振り返って廊下を見てみるも誰も見当たらない
でも、今＿＿＿＿

「柚子？どうしたの？」
空くんは聞こえなかったのか…それとも隠してるのか

どっちかはわからないけど、今は…

『…なんでもないですよ』

なにも言わない方がいい気がする