貴方たちと・・・〜女主視点〜 ページ27
空さんとナノさんがたんたんと話していく中、私はただただ２人を見つめていた
ナノさんは自分で殺そうとしたって言ってるし、やっぱり…
でも信じてたって…
空さんの首に傷が残ってしまったのは確かに私のせい
だから空さんに…ナノさんにも恨まれて当たり前
ほんとに…どうして空さんだけが傷ついてしまったんだろう…
私は無傷で
しかも都合よくなにも覚えてないなんて
結局なにもかもから逃げているんだ…どうしようもう泣きそうだ
自分が情けなくて
空さんに対して申し訳なくて
ナノさんにまた信じてほしくて
＿＿＿＿＿弱虫なうえに我がまま
もうほんとに嫌だ……あ、また逃げてる
そんなことを考えているとナノさんは帰ってしまって
『んで？柚子は何か言いたいんじゃないの？ナノか俺に』
空さんに問いかけられた
私が２人に言いたいこと…聞きたいこと…
『…なさい…ごめんなさい…』
『…それだけ？』
『！？』
空さんの言葉を聞いた瞬間、今までにないくらいの頭痛に襲われた
知らない風景
いや、知っている
忘れていただけの…大事な思い出が脳裏に鮮明に映る
＿＿＿＿ほら、泣かないで
＿＿＿＿ナノも聞いてあげるから
＿＿＿＿＿＿ナノもそう言ってるし…言いたいこと…
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿それだけ？
……思い出した
全部ではないけど
空さんとナノさんと歌詞さん…いや空くんとナノくん、それに歌詞くんとの時間
やっと思い出した
でも…もう遅いかな…？
今更なのかな…？
どうしてなのか涙が止まらない、喜べない
『私は…空くんとナノくん…歌詞くんと…どういう繋がりを、持てますか？』
きっと涙でぐちゃぐちゃの顔なんだろう
聞いてどうにかなるわけでもない
空くんが困るのもわかってる
それでも今はその答えがほしかった
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