【コラボ】学園という名の…【歌い手】 (ページ13)

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鍵～男主視点～ページ13

「空！空！」
「君！どいてなさい！」

雨の日…
俺は刺された
いや切られた
意識が朦朧とする中見たのは
ナノが柚子の首を絞めて

殺そうとしていたとこだった…

声を出したくても出せなかった
そのまま俺は意識を手放した

――――――――

「空！」
ハッと我に返る
ナノがそらるさんを睨んでいる

「大丈夫？」
横を見ると96ちゃんと店長…それと歌詞太郎さんがいた

『あ…うんちょっと』
昔を思い出してただけとは言わない

いつの間にか天月君も帰ってきてた
多分…見つかんなかったんだろうけど

「そらるんが知ってどうにかなる問題じゃないでしょ？」
「俺にも知る義務が少しはある」
「だからって無理やり聞く必要ないでしょ！」

はぁ…
昔からナノはあーいう性格だからな
いい意味でも悪い意味でも

「そらる…俺もナノの言ってることに同意だ
　無理やり聞いてどうにかなるものではない」

歌詞太郎さんもか…

『別に…俺が喋ったんだからいいよ
　どちらにせよ柚子が喋ってたよ
相手が天月君なら無理矢理でもきいただろうしね』

そこまで言うと二人は黙った
そらるさんはため息をはいて生徒会室に入ってしまった

「…空」

『歌詞太郎さん』
ナノが何か言いたそうだったけどそれを遮る

『あいつ…柚子ってどこに住んでるのかわかります？』
その質問は想定外だったのか二人共目を見開いている

「え…？す、住んでるとこ？」
よっぽど想定外だったのか聞き直してくる

『はい、一応寮の鍵渡しとかないとですし…』
それに

話もしたいしね

外の雨は弱まってきた
歌詞太郎さんから教えられたマンションを見上げる
大丈夫…ただ鍵をわたすだけ

なるべく傷を見せないように上着を着て階段を上った