【コラボ】学園という名の…【歌い手】 (ページ11)

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話さなきゃよかった～男主視点～ページ11

『いって…』
誰かとぶつかった
案外速かったから誰かはわかんないけど

「大丈夫？」
ナノの手をとり立ち上がる
しばらく歩いて生徒会室が見えた

だけどなぜかいい雰囲気ではなさそうだ
生徒会室の前にそらるさんと天月君、96店長それと

『歌詞太郎さん…』
みんなが立っていた

「あ、ナノさんと空！」
おーいなんて96ちゃんが手を振る

「…どこ行ってたんだって質問はあとにして…」
そらるさんがこちらを見る

「過去にあの柚子って子と何があった」
予想はしてたがまさかこんなに早く聞かれるとは思わなかった
声からして言い訳が通じる様子ではない

「そらるん！それは「ナノは黙ってろ」…」
もう逆らえないか…
歌詞太郎さんも何か言いたげだな

『別に』
そらるさんには関係ないことだ
それは事実

「じゃあ…なぜ柚子を避ける」

『避けてんのは向こうですよ』
それも事実だ
現に俺は生徒会室にきたしあいつと向き合うつもりだった

「何かしたから避けてるんじゃないの？」
天月君も聞くか
他人のことなんか全然興味ないくせにこういう時だけ聞くのか

『何もしてないししたつもりもない』
視線が痛い
だけどここで逃げたら誤解をうみそうだ

「そうか…じゃあ話を変えよう」
今度は何だ

「お前が一番聞かれるのを嫌がるその…首の傷についてだ」
『なっ！！？』
俺以外にもナノや歌詞太郎さんも目を見開いた
そらるさんは薄々気付いている
この傷と柚子が関係してるってこと

「そらる！それは俺が！「歌詞太郎には聞いてない」っ…」
さすが何様俺様そらる様だ
こうなったらもう止まらない

「そらるん！もうそれ以上はやめてよ！ナノが話すから！」
ナノも必死に対抗するけどそらるさんは俺を見ている
俺が答えろってことか

『ナノ、歌詞太郎さんもういいよ』
これ以上二人が言うと仲が悪くなりかねない

『俺に聞く前に柚子に聞いたらどうです？』
そのほうが俺が話す内容が少なくなる

「…天月」
そう言って天月君は走っていった

「アメリカにいた時のことだろ」
なるほど
ここで俺に聞くってか
いい案だな

『簡単な話ですよ
　俺とナノで遊びに行ったらテロにあってその犯人が俺の首に傷をつけた…
あ、もちろん刃物で』

「…それが柚子とどう関係がある」
まあ…そうなるよね

『…柚子がその犯人を刺激したから俺の首に持ってた刃物があたった…だけ』
そこまで言うとみんな黙ってしまった

やっぱり話さなきゃよかった