克服(短編) ページ48
side 岩本
仕事終わって帰って来たら
「ねぇ〜もぉしないからぁ〜。」
「お前のもうしないは信じない。ケツ痛くして反省しろ！」
「いやぁーごめんなさいぃー」
ふっかが目黒の腕を掴んで引き摺るように部屋に消えて行った。
「おかえり。」
食卓には苦笑いの佐久間と阿部が。食卓には舘さん。
「何？またなんかやったの？」
聞くと、夕飯のほうれん草のソテーが嫌でわざと床に落としたんだって。
またかよ。懲りないな。こっそり捨てる、隠す、落とす。毎回やらかして誰かしらからの雷が落とされてるのに。
「舘さん、落ち込んでんの？」
ささっと俺の分の夕飯用意してくれた舘さんの表情がちょっと硬い気がして聞く。
まぁね。毎回作ったものそうされたら良い気しないわな。
なんだけど、返事は
「うーん。ってかなんか方法無いかなって悩み中。」って。
そういうことね。でも舘さんいろいろ考えてくれてるんだけどなぁ。
「カレーだと少しは食べるんだけど毎回カレーってわけにいかないでしょ？」
「確かに。」
「味噌汁はダメだったんだっけ？」
佐久間が聞くと
「うん。ダメだった。」って。
「やっぱり濃い味付けだと比較的いけるらしいんだけど。あとはバレないように混ぜる。」
「なるほどね。」
「でもさ、出来ればこっそりじゃなくてちゃんとほうれん草ってわかって食べられるようになるのが理想なんだけど。」
「ふふ。」俺は思わず笑っちゃった。
「照なんで笑うんだよ。」
「えっ？だって、舘さんまるで母親みたいだよ。子どもに好き嫌い克服させたい。健人たちのがうつってるよ。」
「本当だね。」「アハ、涼太ママじゃん。」
阿部と佐久間もそう言って笑う。
「まぁなんでも良いわ。でもなんか考えないとなぁ…。」
舘さんはブツブツそんなこと言いながら料理サイトをずっと見てる。
暫くすると
「オッ、照おかえり。」ふっかがリビングに出て来た。
「舘悪い。謝らせようと思ったけどそのまま寝てしまったわ。」って。
「良いよ良いよ。」舘さんはそう言いながらもずっとレシピ検索してる。
ふっかはちょっと不思議そうにそれを見てるから
「目黒がほうれん草克服する為に研究されるらしいよ。」
って説明したらそっかって。
で、次の日の朝から我が家の食卓にはいろいろほうれん草のメニューが。
最初は緑のパンケーキ、ほうれん草入りグラタン、キッシュなど。
まぁ少しずつだけど目黒も食べてるよ。
うん。舘さんのお陰で少しずつ克服出来るかな。
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sutekinasekai(プロフ) - りなさん» お待たせしてしまいごめんなさい。そして目黒くんの好き嫌い話、またの機会に書きますね。 (2023年1月18日 12時) (
レス) id: 37f6062b98 (このIDを非表示/違反報告)
りな(プロフ) - リク書いて頂きありがとうございます😄ママ化してる舘様新鮮でした😂 (2023年1月16日 9時) (レス) id: 24808759d6 (このIDを非表示/違反報告)
sutekinasekai(プロフ) - ととさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます。これからも遊びに来てくださいね。 (2023年1月11日 7時) (レス) id: 37f6062b98 (このIDを非表示/違反報告)
とと - 初めてのコメントです！どの小説も大好きで何度も読み返したりしてます！更新されるのをいつも楽しみにしてます。すの担なので特にすのの話が好きですが、どのグループのお話も本当にドツボです！飽きるなんて全くありません。これからも更新楽しみにしています。 (2023年1月10日 3時) (レス) id: 097e508835 (このIDを非表示/違反報告)
sutekinasekai(プロフ) - 李苑さん» 涙涙のカウコンでしたね。1歳差問題、また登場すると思います。 (2023年1月4日 21時) (レス) id: 37f6062b98 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sutekinasekai | 作成日時：2022年12月5日 9時
