飽く迄も一般人を貫き通す-参-

捌拾参 ページ7

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私は制服を着て、直ぐにマフィアを出た

お父さんが、帰ってくるから


何して待ってよう……？



ご飯作っておく？
既に食べていたら厭だな


お菓子は？
甘い物好きだったっけ


何かプレゼント買う？
好みが判らない


……部屋掃除しよう？
そうしよう





『……そうだよね、お母さんも急に入院になって

何かと散らかってたりするかも知れん。』




私はお父さんより、久々の家にワクワクしていた

はぁー、これでゆっくり出来る。




『自分の部屋だって、触れたくても触れられなかったものばかりだ。』




少し早足、何時もの住宅街を突っ切って

下校中に歩いてた塀の上やら、低屋の屋根を一蹴りにフリーランニング



近道を駆使して、あっという間に着いた我が家






『うおおおおっ、ただいまぁあ！！』



そう叫んで、玄関のドアノブを捻った。







……チャッ。





短い金属音

あれ、ガチャッじゃないの？



うん？ ドアノブってこんな固かったっけ？




『……鍵、鍵閉まってる！』






＿＿＿＿＿当たり前である。









＊＊








そうそう、誰も入れないと思って屋根裏部屋(にこっそり作った扉)から侵入成功

屋根を登って天辺迄行けないと入れない秘密の入口


其処から、家の中へ入れば少し埃っぽい




フローリングに足跡が付くのに、嫌悪感を抱き乍らも

自分の部屋へ入ると、篭った匂い





『……ぐ』




直ぐに窓を開け、換気



部屋を見れば、昔買って貰った縫いぐるみとか

一時期ハマっていた少女漫画とか

化粧に挑戦しようとして、結局使わなかった化粧品とか




『……少しの間だったのに懐かしい

てか、中原の部屋が割と殺風景で……


私の部屋、よく見たら幼稚的だ。』





くっそ、負けた感じがして悔しい

彼奴の部屋に戻ったら、チューリップのシールでもベタベタ貼ってやろうかな





『……って、新しい部屋とか

自宅とか



と、兎に角……中原の部屋に戻るなんて有り得ないのに何云ってるんだろう』





そして、部屋の中央に置かれている

卒業証書と、卒業アルバム

そして成績表

置きっぱにしていた教科書の数々





『……そっか、卒業式出てないと

何時迄も高校生気分だな』







制服を着てるのが、コスプレだと云われる時期だよ

最悪だよ、同級生は皆が大学生か専門学生か社会人かその他だよ！！









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