飽く迄も一般人を貫き通す-参-

番外編:バレンタイン ページ41

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私は一心に、お菓子が売られている売り場へと行くのだが

其の途中に、バレンタインデーのコーナーが設けられていた。



赤、ピンク、茶色、橙色

大体、此の色で統一された四角い包装されたお菓子と

手作り用として、板チョコが大量に積まれていた。



最近人気の男性俳優の写真が大きく載り、チョコレートの広告も年々大胆。







『へぇ、今日バレンタインなんだ』






バレンタインと云えば……




私は特にあげたい子は居ないし((え？


貰ったら返す。の精神なので、何時もホワイトデー時にお菓子を作っていた。



……然し、雑誌等に載ったり色々とあった所為で

私のお返し欲しさに、女子から大量に貰う羽目になった地獄の高校生活を今でも忘れない。




挙句の果てには、男子からも貰ったなあ……

チロルチョコ。





適当に返せれば良いのに

雑誌に載るわ、本気の将来の夢だわで


プライドがあったから……そりゃもう手が込んで大変だったなあ。





『それにしても……』




首領からの命令と、バレンタインに関係性とかあるのかな

否、マフィアの中で年間のイベントに参加してるのは姐さんくらいだったわ







「……あ、A」

『ん？』



あぁ？誰だ昼間から私を呼び捨てする可愛い声の持ち主は＿＿＿＿＿






『……鏡花ちゃん？』





バレンタインコーナーで、和服の可愛い女の子と出逢いました。








『あれ、鏡花ちゃん

こんな所で逢うなんて……』

泉「今日、バレンタインだから」

『好きな人でも？』

泉「好き？

私は皆好き」




……これあれだ

体育館裏で男子生徒に、好きです！って言われたら

私も好き！(友達として)みたいな返し方しちゃうタイプだ



然もわざとでない、悪気も無い

一番質悪いパターン……




そして学園の自称イケてる女子に目を付けられちゃうやつ……

駄目だ、誰かこの子を護ってあげて。






泉「Aは誰かにあげるの？」

『え？ うーん、迷ってて……

鏡花ちゃんは？』

泉「私は何時もお世話になってる探偵社の皆と、一番お世話になってる敦に」



鏡花ちゃんは探偵社の人数分の箱と、一際大きい箱を

顔の前で積み重ねて、両手で抱えていた。




泉「手作りしたかったけど……

場所と器具が無いの」

『……ね、鏡花ちゃん

私と一緒にお菓子……作らない？』









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