飽く迄も一般人を貫き通す-参-

捌拾壱 ページ5

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『終わりました』

中原「おう、そんじゃ行くか」






私達は書き終えた書類を持って、首領の部屋を目指していた。


道中数人の部下が中原に頭を下げるのを見て

嗚呼、此奴は幹部だったななんて



……私も態度を改める可きだろうか。







『中原幹部』

中原「ん？」

『くっさ』

中原「殴るぞ？」



そして、森さんの部屋に着いた。


相変わらず……木製の貫禄溢れる部屋

唾を吐き付けたら、どれくらい怒られるんだろう……？





中原「首領、中原です」

『有島です』




＿＿＿＿＿……





「……入り給え」



私達は目を合わせてから、中へ入ると

中央に座る森さん



いつも通り、口元には笑みを浮かべている。






中原「今日の任務の報告書です」

森「うむ、ご苦労」

『……』

森「時に、A君」

『はい』

森「エリスちゃんにベリータルトをプレゼントしてくれたのは、君かい？」

『……はい』

森「いやあ、エリスちゃんが大喜びでねえ！

すっかり君の作るお菓子に夢中の様だ！」

『お、お褒めに預かり……光栄です』

森「其れで、ね

君にはあのバイトを辞めて貰いたいのだよ」






森さんは、変わらず笑顔の儘

衝撃の言葉を口にする。



少し怖い雰囲気が一瞬明るくなって

ほっとした自分が……莫迦だ





『あ……えっと

其れは……どう云う……』

森「実は今、新しい案件を立てていてね

……まあ、詳しい話は後日に回すよ」

『ま、待ってください！

私は……』

森「……君は、ポートマフィアの一員だ。

A君の意見は、聞けない

そして、其れが現実だよ。」




誰が、ポートマフィアの一員だって？

強引に、脅しも掛けた癖に？




中原「……有島、首領に口答えするな。」

『巫山戯んな、帽子は九十九神が憑かなきゃ喋んないから！』

中原「手前を想って云ってンだよ！」

『はあ！？ だったら……』

中原「首領、話題を変えてしまうのは大変恐縮なのですが……」

森「……何だね？」






中原は私を後ろに、一歩前に出た。









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