飽く迄も一般人を貫き通す-参-

番外編:バレンタイン ページ40

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森「時に、A君は……

明日が何の日か知っているかい？」

『……はい？』





急に内線で、連絡が来たと思ったら

内容の意味がよく判らなかった。









『……』



暫く任務が続き、連勤状態だった私

稽古は毎日あるものの、頑張ったお陰か……
今日から三連休も頂く事が出来た。



なので昼過ぎ迄寝ていた。





……が、稽古前に少し身体を動かさないと死ぬな……と思い

今現在、施設内を歩き回っていた。




軽いウォーキングの心算で、非常用階段を上り下りして

端から端迄歩いて……と永遠に。




そんな中、急に連絡が来たものだから

私は、至急の任務が入ってしまったのかと、一瞬の絶望感に苛まれていたのだ。





『明日ですか？

抑々、マフィアに入ってからは日付と曜日の感覚が麻痺してます』

森「矢張りそうだよねぇ……

よし、休み中に悪いけどエリスちゃんの為にお菓子を作ってくれないかい？」

『……は？』







そして、私の休みは一日潰される訳だ

首領の一言って、重い、重いわぁ……







『舌が溶ける様なもの作ってやるし！』



そう思って、私はくるりと踵を返し

横浜の大きなショッピングモールへ向かう事にした。






……待て？



菓子作りを命じられた訳だし、今日は稽古無しじゃね！？

やった、ラッキー！




『ひょー！』






そうだ、人は考え方一つでこんなにも希望に溢れる事が出来る！








『……』



なんて、何の台詞だよ

厨二病か？





やだやだ、彼奴じゃないんだから

気をしっかり、私！



『……あー、マフィアが横浜の中心部にあると楽だね！！』





スキップランランと、足を進めて20分程で

目的地に着く。




横に広いショッピングモールの、少し奥にあるエスカレーターで

地下一階へ行けば、俗に云うデパ地下



種類が豊富な、割かし安い食材の宝庫と呼べる此の場所で

さっさと材料でも集めちゃおうかな……









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